ロシアは9日から10日にかけての夜、ウクライナをシャヘド型ドローン400機あまりで攻撃し、一部のドローンがポーランドの領空を侵犯した。ポーランド軍などが複数機を撃墜した一方、1機はウクライナとの国境に近いビリキ村の民家を直撃した。
A Russian attack drone hit and damaged a house in the village of Wyryki, Poland, overnight. pic.twitter.com/kWFmZ0iawz
— OSINTtechnical (@Osinttechnical) September 10, 2025
こうした事態は今後も続く可能性が高く、将来の戦争ではもっと大規模な攻撃ドローンの波が押し寄せると予想される。英ロンドンで9日に開幕した防衛装備見本市「DSEI」でも欧州のドローン防衛が大きなテーマとなっており、対ドローン兵器が数多く出展されている。
ドイツの兵器大手ラインメタルのアルミン・パッペルガー最高経営責任者(CEO)は8月、ドイツ政府から数十億ユーロ規模のスカイレンジャー防空砲塔の受注を見込んでいると明らかにした。数量は数百基にのぼるもようだ。ただ、こうした巨額な費用は、各国政府がドローン防衛装備を喫緊に必要としていながら、取得がなかなか進まない一因になっている。
ウクライナはスカイレンジャーの100分の1程度のコストの兵器でシャヘドを撃墜しており、これは欧州の防衛調達に何か問題があることを示唆する。英王立防衛安全保障研究所(RUSI)の上級研究員ジャック・ワトリングは、欧州の防衛装備は「ほぼ例外なく割高」だと筆者に語った。もっとも、その原因は複雑であり、対処法は思うほど簡単ではない。
ゲパルトからスカイレンジャーへ
既存のミサイル型防空システムは、比較的小型のドローンの脅威を持て余している。パトリオットのような高性能で高価な地対空ミサイルは、ジェット戦闘機やヘリコプター、巡航ミサイルに容易に対処できるが、少数しか調達できない。たとえば、米国によるパトリオットのPAC-3弾の生産数は年間でせいぜい650発程度にすぎず、ロシアは一晩でそれを上回る数のシャヘドを発射できる。こうした背景から再び関心が向けられることになったのが、弾薬が豊富にある昔ながらの対空砲だ。



