ドナルド・トランプは最初の任期中に資産を失った。しかし、1度政界を離れた後、政治を収益化する方法を見つけた彼は、今や数十億ドルの資産を積み上げている。
ドナルド・トランプの純資産は約1.1兆円、『フォーブス400』で201位に
トランプにとって、この1年間は人生で最も儲かった年になった。彼の純資産は過去最高の73億ドル(約1.1兆円。1ドル=147円)に達し、2024年にまだ大統領選を戦っていたときの43億ドル(約6300億円)から増加した。この30億ドル(約4400億円)の増加により、フォーブスが発表する純資産ランキング『Forbes 400』で彼は118ランク順位を上げ、今年は201位を獲得した。
富の源泉は暗号資産、息子3人とWLFIを立ち上げ政権獲得後に急成長
米国史上いかなる大統領も、トランプほど、地位を利用して巨額の利益を得た大統領はいない。彼の富の主要な原動力となったのは、規制的に脆弱でありながらも熱狂に満ちた資産である暗号資産だ。トランプは3人の息子と手を組み、2024年9月に「World Liberty Financial(WLFI)」と名付けた暗号資産ベンチャーを発表した。同ベンチャーは当初こそ苦戦したものの、その後トランプが政権を獲得したことで風向きが変わった。
ジャスティン・サンの110億円投資が起爆剤、ミームコインでも資産獲得
証券取引委員会から詐欺で訴えられたこともある、暗号資産起業家のジャスティン・サンがWLFIに7500万ドル(約110億円)を投資した。そのうち約4000万ドル(約59億円)がトランプに流れ込み、さらに数百万ドルが彼の家族に渡ったことで、この狂乱が始まり、その後も拡大し続けた。1月、大統領に復帰する直前にトランプはミームコインを立ち上げ、それにより数億ドル規模の資産を獲得した。
大統領復帰で業界に有利な法整備、WLFIは売上2058億円を記録
政権に復帰すると、トランプは暗号資産に対する規制を緩和し、この業界に有利な法律に署名し、自身が利益を得られるような利益相反の仕組みを固めた。彼のミームコインは当初3カ月間は売却が禁止されていたが、現在はそれも解除され、毎週数千万ドルが彼の自由になる。さらにWLFIは不透明な買い手への販売も含めたトークン販売を続け、これまでに推定14億ドル(約2058億円)を生み出している。そのうち約75%がトランプ家の関連企業に入っており、10億ドル(約1500億円)以上の利益となった。



