2.アンカー(錨)としてのマインドフルネス、瞑想:リーダーシップの前には、大海原のように課題が広がっており、当てもなく漂流してしまいやすい。そこで役に立つのが、アンカー役となるマインドフルネスと瞑想の実践だ。
心の安定と落ち着きを促すマインドフルネスと瞑想を取り入れるリーダーは、単なる一時的な流行に流されているわけではない。瞑想の習慣がある人は、それが自分のキャリアにメリットをもたらしていることに気付いている。集中力が高まり、意思決定力が研ぎ澄まされ、日々襲ってくるストレスから身を守るためのレジリエンスが身に着く、と彼らは語る。
3.視点の枠組みを変えるための望遠鏡:たとえ水平線を見たとしても、たった一つの、近視眼的な視野しか得られない場合がある。しかし、望遠鏡のような適切なツールを用いれば、リーダーは、視野を拡大したり、角度を変えたり、状況をまったく新たな観点から観察したりできる。
そうやって視点の枠組みを変えることは、単に早合点を避けるだけでなく、物事をより広く見るための練習にもなる。一歩下がって、より大局的な視点で物事を見渡し、異なる視点を理解できる上に、即座に反応せず、多角的な視点から見た情報にもとづいて、熟慮した戦略を決断することが可能になる。
4.休息をとるためのオアシス:リーダーシップという困難な道のりを進んでいると、目の前に砂漠が無限に広がっているような感覚に陥るかもしれない。しかし立ち止まり、心を休ませるオアシスを探すことの力を知っているリーダーは、そうしたオアシスが自分に再生をもたらすことを理解している。
カオスから離れて、ほんのひととき自然を散歩するだけでも、あるいは、少しのあいだ自らを静かに振り返るだけでも、単なる小休止以上の効果がある。リセットし、軌道修正し、感情のバランスを取り戻す機会であり、課題が山積みで克服できないような気持ちのときにはとりわけ効果的だ。
結局のところ感情の制御とは、感情を抑圧したり回避したりするという意味ではない。重要なのは感情を理解し、適切な方向へと差し向け、感情を生かして共感と明快さ、強さで人をリードすることだ。こうしたやり方を身に着けたリーダーであれば、キャリアという荒波を、品格と確信をもって乗り越えていけるだろう。
ということで現代のリーダーシップ界では、戦略的な洞察力や、技術的な専門知識以上のものが求められている。要となるのは、心の知能指数と感情制御の技術、この2つの微妙なバランスを保つことだ。
前述したように、リーダーとして歩む上で肝心なのは、感情を抑圧することではない。感情をしっかりと理解し、方向づけ、活用する手段をマスターすることだ。そして、それを強化する柱となるのが、自己認識、マインドフルネス、視点の枠組みを変えること、そして、休息をとることから得られる不可欠な力だ。
こうしたツールを使いこなすリーダーは、レジリエンスを体現するだけでなく、揺るぎない共感力、明確なビジョン、確かな力強さをもって、他者のために道を照らすことができる。変化が激しく、不確実性にあふれる世界において、こうしたリーダーは灯台のような存在となり、感情的なウェルビーイングを大切にしながら、チームを成功に導くことができるだろう。


