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2025.09.25 11:00

大企業のアセットを武器に社会を変革する──イントレプレナーが切り開く次世代ビジネス

授賞式には東急不動産 嶋木彩乃(左)、アドバイザリーボードの早稲田大学ビジネススクール教授 入山章栄 (左から2番目)、テレビ朝日ホールディングス代表取締役社長 篠塚浩(右)が出席した。

授賞式には東急不動産 嶋木彩乃(左)、アドバイザリーボードの早稲田大学ビジネススクール教授 入山章栄 (左から2番目)、テレビ朝日ホールディングス代表取締役社長 篠塚浩(右)が出席した。

企業の枠を超えて社会変革に挑む「FTS INTREPRENEURS AWARD」第2回受賞者が発表された。
ミズノ、三井物産、キッコーマン出身の3人が、既存企業の力を生かして構築する次世代ビジネスモデルとは。



企業内イノベーションが日本経済の成長キーワードとなるなか、第2回「FTS INTREPRENEURS AWARD」の受賞者が8月25日に発表された。「ForbesJAPAN 30 UNDER 30」授賞式と同日開催となり、大企業発のベンチャーにもスポットライトが当たった。

INTREPRENEURS(イントレプレナー)とは、既存企業の豊富なリソースを生かしながら、新たな価値創造で社会変革を推進する社内起業家を指す。スタートアップが注目を集める一方で、とがったアイデアが排除されがちな企業内で独自の新規事業を立ち上げ、チームを率いて成功を目指すその取り組みは、既存企業の変革と新たな成長エンジン創出において重要な役割を担っている。

今回の選出は、「革新性」「社会課題解決性」「インパクト」を重視した選出基準のもと、早稲田大学ビジネススクール教授の入山章栄、MIMIGURI代表取締役Co-CEOの安斎勇樹、みずほフィナンシャルグループ執行役員CBDOの中馬和彦からなるアドバイザリーボードの推薦により行われた。

異業界から生まれた3人のイノベーター

受賞者は、FL360(PTY)LTDの小林希、DIFF.の清水雄一、fufumuの大嶋麻里子の3人。小林は三井物産とETGの合弁でザンビアのコットン農家と連携したトレーサビリティ事業を展開し、アパレル業界に新たな価値を提供。清水はミズノ発ベンチャーで左右別サイズシューズ販売の革新モデルを構築し、足の悩みを抱える人々に解決策を提示。大嶋はキッコーマンの新規事業創出制度から生まれた「paqupa」で離乳食に関する保護者の負担や不安の軽減に取り組んでいる。

本アワードの協賛企業である東急不動産も「既存事業での顧客目線をもちながらも、時代に先駆けた新たな事業を生み出していくイントレプレナーの存在は、どの企業にも求められる“持続的成長”に不可欠な要素だ」と期待を寄せている。

彼らの成功は、大企業がスタートアップの機動力を内包する新たな経営モデルの可能性を示唆するものだ。既存の枠組みを超え、革新的な事業領域を開拓する3人の挑戦者たち。その詳細なストーリーと未来への展望を、続くインタビューページで紐解いていく。

くろかわ・やすひろ◎東急不動産 都市事業ユニット 渋谷事業本部 執行役員本部長。2017年からスタートアップ事業に従事し、「Plug and Play Japan」の渋谷への誘致などに携わる。22年から現職。
くろかわ・やすひろ◎東急不動産 都市事業ユニット 渋谷事業本部 執行役員本部長

食物アレルギーの育児経験が生んだ
「神商品!」と呼ばれた離乳食

fufumu 代表取締役社長 大嶋麻里子

おおしま・まりこ◎お茶の水女子大学大学院人間文化創成科学研究科 修了。2012年キッコーマン入社後、商品開発業務に長年携わる。息子の食物アレルギーがきっかけで離乳食に深い関心をもつ。社内の新規事業創出制度で選抜され、23年7月にfufumuを設立し代表取締役社長に就任し現職に至る。
おおしま・まりこ◎お茶の水女子大学大学院人間文化創成科学研究科 修了。2012年キッコーマン入社後、商品開発業務に長年携わる。息子の食物アレルギーがきっかけで離乳食に深い関心をもつ。社内の新規事業創出制度で選抜され、23年7月にfufumuを設立し代表取締役社長に就任し現職に至る。

離乳食期特有の「はじめて食べる食材」に対する保護者の悩みや手間を解決する「paqupa」の販売を行うfufumu。代表取締役社長の大嶋麻里子に少子化時代の事業戦略を聞いた。

赤ちゃんは生後5〜6カ月ごろになると母乳やミルクだけでは栄養が足りなくなり、離乳食の出番がやってくる。しかし、初めての子育てではどのように離乳食を準備すればよいのかがわからない人も多い。そんな悩みに寄り添うのが、fufumuが開発した「paqupa(パクパ)」だ。

「paqupaは、卵や甲殻類、木の実類など、アレルギーが気になり、準備が大変な食材を、一口サイズのキューブ状にして個包装したフリーズドライの離乳食です。小児のアレルギー専門医の海老澤元宏先生監修のもと、『いつ、どのくらいの量を、どうやって』を検討しながら、保護者の方の不安を軽減する離乳食を設計しました」

fufumuは、キッコーマンの新規事業創出制度「K2」から生まれた会社だ。2023年の事業スタート時、キッコーマンの商品開発部門に所属していた大嶋と共同創業者の竹内崇裕が企画を立案。「離乳食」という分野にたどり着いたのは、お互いに食物アレルギーをもつ子どもを育てた経験があり、親として新しい食材を食べさせることの大変さを痛感していたからだ。

「新しい食材を始めるときって、本当に不安なんです。インターネットや書籍で情報を得ようとしても、書かれていることはさまざまで。だからこそ、同じ不安を抱える方々に『初めての一口はpaqupaだよね』と安心して手にとってもらえる商品をつくりたいと思いました」

少子化時代にも求められる商品をとことん突き詰める

当初は冷凍食品を検討していたが、保護者からの「冷凍庫はつくり置きでいっぱい」「常温保存のほうが助かる」という生の声を参考にして、より使いやすいフリーズドライというかたちに。また、調理の簡易さと時短を意識し、お湯ではなく常温の水で溶かして食べられる設計にもこだわった。凍結乾燥という方法を採用することで風味を保持し、素材本来の味を大切にすることにもつながっている。商品は一口サイズで、段階的に摂取量を増やせるのもユーザビリティに優れている。

「2023年10月の自社EC販売を開始した当初はゆるやかな立ち上がりでしたが、SNSに『paqupaに本当に助けられた』『神商品』といった感想があがるようになり、一時は品切れになるまでの反響をいただきました。実際に使っていただいた方々の生の声が、何よりの励みになりました」

イントレプレナーとして社会の課題を可視化した大嶋は「会社の将来のために、新しい事業の柱をつくり上げられることが大きなやりがい」だと語る。事業開始当初は新規事業支援会社のアルファドライブの子会社として運営していたが、2025年7月にはスピンインするかたちでキッコーマングループに参画。ブランド力や販路のネットワークを生かした今後の大きな成長が見込まれる。

「現在、paqupaは8種類の食材を展開していますが、ユーザーのニーズに応えるためにラインナップの拡充を目指しています。また、paqupaは『初めてのひとくち』に特化した商品でしたが、離乳食や幼児食にまつわる課題はほかにもまだまだたくさんあります。
少子化時代に生き残っていくには、そうしたユーザーの深いニーズに応えることが大事だと思っています。今後も保護者の皆さんが抱える日々の悩みにしっかり寄り添う商品を展開し、それと同時に年々アップデートされる食物アレルギーや離乳食などの正確な情報の発信にも取り組んでいきたい。ベビー用品店以外にも販路を拡大し、より身近に手に取ってもらえる環境を整えていきたいですね」

※本品は食物アレルギーを治療・診断・予防するものではございません

ファッションがアフリカの農家と世界をつなぐ
感動と社会的インパクトを提供する新しい消費体験

FL 360(PTY)LTD Managing Director 小林 希

こばやし・のぞむ◎2008年三井物産入社。プロジェクト本部にて海外大型インフラプロジェクト開発に従事。16年、在アフリカのETG社への出資チームに参加、M&Aディールを経験。18年にETG社に出向し、以後在南アフリカ・ヨハネスブルグ。21年にETGと三井物産の共同事業farmers 360º linkを企画。
こばやし・のぞむ◎2008年三井物産入社。プロジェクト本部にて海外大型インフラプロジェクト開発に従事。16年、在アフリカのETG社への出資チームに参加、M&Aディールを経験。18年にETG社に出向し、以後在南アフリカ・ヨハネスブルグ。21年にETGと三井物産の共同事業farmers 360º linkを企画。

三井物産とETGの共同事業として立ち上がったfarmers 360º link。アフリカ・ザンビアのコットン農家と連携し、トレーサブルな農業データと「感動」を消費者に届けるために奮闘している。

私たちが着ている服の素材は、どのような環境で誰が栽培しているのか―。そうした生産者の顔が見える「トレーサビリティ」を追求し、消費者に対して新たな消費体験を提供するのが、小林希が手がけるfarmers 360º linkのプラットフォームサービスだ。彼らが連携しているのはザンビアのコットン農家。ここで栽培されたコットンを使った商品にはQRコードが付与され、服を購入した消費者はアプリから現地の農作業データや環境情報にアクセスすることができる。

「私たちは農家を取り巻くあらゆる情報をデータ化し、デジタルコンテンツとして提供するシステムを構築しました。これによって目指すのは、消費者への安心・安全訴求を超えた『感動』『物語性』『社会的インパクト』といった新たな価値です。売り上げの一部は農家のインフラ整備や教育支援といったプログラムとして還元されるため、消費者は買い物によって主体的に農家を応援することができる。アプリからLINEのお友達登録をすると常に現地の状況を追うことができるため、自分の消費行動が与えるインパクトを継続的に感じ取れるのです」

農家への還元による持続可能性

小林がこのプロジェクトを立ち上げたのは2021年。三井物産が出資・参画しているETGに出向し、そこでのミッションがゼロからの新たな事業創出だった。

「現地へ何度も足を運び気づかされたのは、収入の少ない現地の農家から対価をもらうビジネスは難しいということでした。それならば、農家で取れるデータを活用し、グローバルマーケットで収益化するモデルを構築できないかと考えました。そこで、ETGのネットワークによってザンビアのコットン農家へたどり着いたのです。人の生活に密接にかかわるアパレルであれば、背景ストーリーを付与することで消費者の感情に訴えかけられるのではないかと思いました」

しかし、進めるうえでは難点もあった。まず、こうしたビジネスモデルを現地住民にどう理解してもらうか、次に、データ収集システムをいかに構築するか。

「最初はあまり信頼してもらえず、なかなか難しいところがありました。ただ大事なのは、継続性があると示すこと。一時的な取り組みではなく持続的に連携して農家に還元していくシステムであることを説明しながら、徐々に信頼関係を構築していきました」

このプロジェクトはアパレルブランドとの連携も要になるが、2023年という早い段階でRon HermanとBEAMSが賛同し、コラボ商品を発売するなど消費者へのアプローチを順調に進めている。

「Ron HermanとBEAMSの場合は教育支援を重視しており、農家への還元プログラムとして、現地の複数の学校にソーラー発電による照明システムとプロジェクターを設置することができました。電力インフラが整備されていない農村部でも有意義な学習を可能にするものです。農家で栽培したコットンを使った服が日本で何千枚と売れ、そのリターンを現地に届けられた瞬間が何よりうれしいですね」

今後は総合商社である三井物産の知見やネットワークを生かして事業を展開していく予定だ。

「短期的には多地域・多品目の展開を目指しています。特にファッションの中心地であるヨーロッパ市場に進出していきたい。また、コットンだけでなくカカオ豆やコーヒー豆の農家といった横展開も視野に入れています。データ収集のシステムを生かし、農業生産性の向上といったアグリテックの分野にも積極的に取り組んでいきたいと思っています」

5人に1人は「足の左右サイズが違う」
シューズ販売の常識を変える革命

DIFF.代表取締役 清水雄一

しみず・ゆういち◎鈴鹿高専、神戸大学卒業後、同大学院修了。2012年ミズノ入社後、研究開発部に所属し、サッカーシューズ等の開発を担当。また、新規事業プログラムの企画運営に従事。視覚障がい者向け白杖「ミズノケーン」や、イノベーションセンター「MIZUNO ENGINE」の立ち上げに携わる。
しみず・ゆういち◎鈴鹿高専、神戸大学卒業後、同大学院修了。2012年ミズノ入社後、研究開発部に所属し、サッカーシューズ等の開発を担当。また、新規事業プログラムの企画運営に従事。視覚障がい者向け白杖「ミズノケーン」や、イノベーションセンター「MIZUNO ENGINE」の立ち上げに携わる。

「左右で足のサイズが違うのに、なぜペアでしか買えないのか」。ミズノ出身の清水雄一が立ち上げたDIFF.が、シューズ業界の常識に挑む。足の悩みを解決する革新的サービスの全貌とは。

足に合う靴がない―こうした悩みを抱える人は、実は想像以上に多い。DIFF.代表取締役の清水が、この事実に気づいたのは、ミズノで新規事業を担当していたころのことだった。

「靴選びって難しくないですか?」。ユーザーインタビューでこう問いかけると、サイズの左右差に悩む声が何通も送られてきた。この結果を受けて清水が、社内の足形データを調べると、衝撃的な事実が判明する。足の大きさが5mm以上違う人が全体の5%、左右別サイズを推奨できる人は実に20%にも上っていたのだ。清水はここに、誰も手をつけていない巨大な市場を見いだした。

「この数字は決して小さくない。これだけ悩みを抱える人がいれば、左右別サイズのシューズ提供には十分な市場があると考えました」

DIFF.が運営するのは、左右それぞれ異なるサイズを選んで購入できる画期的なECサイトだ。例えば「右足26.5cm、左足27.0cm」といった組み合わせで購入できる。「靴は両足セットで管理される」―この業界の“当たり前”に、真っ向から挑戦しているのだ。

清水がこの事業に情熱を燃やす背景には、ミズノで積んだ10年間の経験がある。2012年の入社以来、新規事業プログラムの事務局を担当し、社員のアイデアを事業化する支援を続けてきた。「ミズノをもっと新しいことにチャレンジできる会社にしてほしい」という社内の声を受け、自らが先頭に立つことを決意したのだ。

転機は、経済産業省のアクセラレーションプログラムへの採択だった。外部の目から見ても事業価値が認められたこの瞬間、清水は確信する。「このサービスは社会に必要とされている」と。

2022年10月、DIFF.はミズノ初の出向起業として設立された。

「経済産業省の出向起業補助金の活用のほか、複数の外部投資家から事業資金を獲得し、現在も挑戦を続けています。顧客からもポジティブな反応がたくさん届いていて、リピート率も高くサービスに価値を感じてくださる方が多いことを実感しています」

次世代技術でつくる“次の100年”

DIFF.の挑戦はこれだけにとどまらない。清水が次に目指すのは、3Dプリンター技術を駆使した完全オーダーメイドシューズ販売の実現だ。「今のような靴の買い方は、歴史的に見ると新しいスタイルなんです」と清水は語る。

「昔の靴は町の職人が一人ひとりに合わせてつくるのが当たり前でした。店頭に並んだ既製品から選ぶようになったのは、ここ100年程度のことに過ぎません」

しかし今、テクノロジーの進化により「自分に合った靴を履く」という本来の体験が再び可能になる時代が来ている。清水が描くのは、3Dプリント技術、デジタル設計ツール、さらにはAIプロンプトまで活用した次世代の製造方法で、足の形状を完璧に再現したシューズを提供する構想だ。

「特に糖尿病患者など、足の健康に深刻な課題を抱える人々にとって、これは生活の質を根本的に改善し、深刻な健康被害を予防する価値をもつと考えています。11月には待望のテストモニターを実施予定で、来年早期には本格的なサービス開始を目指しています」

「要望に合ったシューズが難なく購入できる状態をつくる」―清水が狙うのは、次の100年におけるシューズ産業のパラダイムシフトだ。

ひとりのエンジニアが気づいた“当たり前への疑問”が、やがて業界全体を変える革命の火種となる。靴に悩むすべての人にとって、真に自分に合った一足と出会える時代が、間もなく到来する。


アドバイザリーボード

有識者などを中心としたアンケート、ヒアリング調査および、3人のアドバイザリーボードの推薦によって受賞者が選出された。

入山章栄

早稲田大学大学院経営管理研究科、早稲田大学ビジネススクール 教授
慶應義塾大学卒業、同大学院経済学研究科修士課程修了。三菱総合研究所でコンサルティング業務に従事後、2008年 米ピッツバーグ大学経営大学院よりPh.D.(博士号)取得。同年より米ニューヨーク州立大学バッファロー校ビジネススクール助教授。 2013 年より早稲田大学大学院 早稲田大学ビジネススクール准教授。 2019 年より教授。専門は経営学。国際的な主要経営学術誌に論文を多数発表。メディアでも活発な情報発信を行っている。


中馬和彦

みずほフィナンシャルグループ 執行役員 CBDO
一般社団法人 Metaverse Japan 理事
KDDIのオープンイノベーションの事業責任者として数々のスタートアップ投資や新規事業を手がけ、現在は、みずほフィナンシャルグループ執行役員CBDOとしてグループの新規事業を統括。

安斎勇樹

MIMIGURI 代表取締役 Co-CEO
東京大学大学院 情報学環 客員研究員
1985年生まれ。東京都出身。東京大学工学部卒業、東京大学大学院学際情報学府博士課程修了。博士(学際情報学)。人の創造性を活かした新しい組織・キャリア論について探究している。主な著書に『冒険する組織のつくりかた:「軍事的世界観」を抜け出す5つの思考法』『問いのデザイン』『問いかけの作法』などがある。Voicy『安斎勇樹の冒険のヒント』放送中。

FUTURE TALENT STUDIO
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