資産運用

2025.09.19 14:30

「億超え」個人投資家が語る、2025年後半の投資戦略と銘柄

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億超えを達成した者は、いかにして資産を築いたか。銘柄をどう選び、いつ動いたのか。その判断が、相場の読み方を照らしてくれる。個人投資家らの積み上げた知見は、次の投資の貴重な道しるべだ。

※以下の情報は6月末時点に実施した投資家の方の回答を元に作成。また同内容は個人投資家の考え方や運用方針を紹介するものであり、特定の金融商品の購入や売却を推奨するものではありません。投資に関する最終判断はご自身の責任で行ってください。


エル 

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blog|【L】米国株投資実践日記

基本ステータス|(職業/年齢層/投資歴)専業投資家/50代後半/投資歴34年
資産額|数億円

プロフィールと投資スタンス|2019年、51歳で早期退職。日本株で投資を始め、それを基にした米国株投資で資産が拡大したことからFIREを決断(当時、中学・高校生の息子あり)した。

現在、金額上では米国株を主軸に投資。主にインデックス運用する一方で、日本の代表的な銘柄の個別株にも投資している。競争力がある優良企業の株価が安いときに投資し、その後、その企業の状況が変わらなければ長期保有する。

退職後、海外旅行などに積極的にお金と時間を使っているが、資産が想定以上に増えているため、現在は資産を積極的に増やすというよりは、無理な運用は行わない方針。個人投資家の参考のため投資ブログを2007年から継続中。

2025年後半の運用方針|引き続き、米国株については、S&P500に連動するインデックス運用を堅持。トランプ新政権誕生後の米国および世界情勢の変化はあるが、少なくとも中期的な米国経済と米国株の相対的な優位性にゆらぎはないと判断。常時、日本だけでなく、世界の政治・経済・テクノロジー等の状況はフォローするが「今はこれがはやっているから」といった安易な理由では飛びつかない。

個別で特別注目しているテーマやセクターはないが、日本の長期デフレが終わり、企業の行動にも変化が出ていることをポジティブにとらえている。投資先は基本的に国内外株式100%で、債券等に投資する場合は一時的。株式の長期リターンが最良という判断。


桶井 道 (おけいどん)

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基本ステータス|(職業/年齢層/投資歴)個人投資家・物書き(著書6冊)/51歳/投資歴26年

資産額|現在・1億8000万円+年間配当250万円

プロフィールと投資スタンス|世界の高配当株および増配株、ETF、リートなど100銘柄以上を保有し、配当金を得ながら含み益も追求。多様な投資を実践してきたが、高配当株・増配株をメインにし、成績があがる。

経済指標など、短期的な動きは一切追わず、短期売買もせず、長期~超長期的に構える。個別株を扱いながらも、時間と労力をなるべくかけない「ぐうたら投資」を実践。

社会を良くする企業に投資する利他的な考え方が自利につながると考えている。2020年に資産1億円+年間配当手取り120万円とともに、25年間勤めた会社を退職。現在は同1.8億円+同250万円(24年実績)まで伸ばす。親の介護と、物書きとして第二の人生を満喫。

2025年後半の運用方針|不安定な世界情勢とはいえ、特に対策はしていない。世界の優良企業を選び、長期~超長期で配当金を得ながら含み益を追求する自身の投資法を徹底。

注目セクターは半導体、資源、農業。また、家電、電子機器、自動車など多くのモノに半導体が必須で、AI、自動運転、スマートシティなどにも半導体は使われ、需要は伸びていく。

また、新興国の成長とともに資源需要が伸びると予想。都市の発展にかかせない鉄、電化の流れから銅やリチウムも需要が伸びる。そして、世界的な人口増から、食料の増産が必要になり、農業関連の需要も増える。農機、種子、肥料などの企業が考えられるだろう。


JIN

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Youtube|オレ的ゲーム速報JIN FX・株投資部

基本ステータス|(職業/年齢層/投資歴)自営業/年齢非公開/投資歴9年

資産額|5000万円 → 1億円 → -5000万円

プロフィールと投資スタンス|かつては「損切りしない(できない)」スタイルを信条としており、含み損を抱えても耐える投資を続けてきた。しかし、2年前から始まった急激な円安局面でFX取引において大きな含み損を抱え、資産を目減りさせる結果となった。

一方で、この経験を通じて気づいたのは、“損切りをしない”という方針そのものが必ずしも間違いではないということだ。特に本質的な価値に着目するバリュー株への投資では、短期の値動きに動じず、時間を味方につける戦略が有効に働く側面がある。

現在は、株式を中心にポートフォリオを再構築中。経験と失敗を公開しながら、YouTubeやXを通じて自らの投資の学びを共有している。

2025年後半の運用方針|2025年後半に向けては、米国での利下げ開始を想定しており、それに伴いITを中心とするテクノロジーセクターへの資金流入が再び強まると見ている。特に金利低下は成長株にとって追い風となるため、その恩恵を受けやすい銘柄に注目。

一方で、トランプ政権の再登場によって市場の不安定化も想定され、急落局面が生じる可能性は否定できない。ただし、そうした場面こそが好機となりうると考えており、状況を見極めながら、押し目の買いを積極的に検討していきたい。

為替については、共和党政権下での過去の傾向から、ドル安・円高の流れになると予測。ポートフォリオ構築においても、その前提で通貨選択と投資先配分を意識していく。


DAIBOUCHOU

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基本ステータス|(職業/年齢層/投資歴)専業投資家/52歳/投資歴25年

資産額|400万円→10億円

プロフィールと投資スタンス|2000年から個別株投資を開始。05年の不動産流動化相場で資産10億円達成し、専業投資家となる。リーマンショックでは大きな損失を出したが、ふたたび資産10億円に復活。

投資先として重視するのは、PERが割安で、資産効率(ROE、ROA)が高く、利益成長を継続できる優れた事業内容をもつ割安成長株。特に、一時的な減益、小型株ゆえの低流動性、地味な事業といった不人気要素をもつ優良銘柄に着目し、業績成長や評価見直しを待つ戦略をとっている。

300銘柄以上の超分散投資で、流動性リスクや悪材料に伴う変動を平準化している。信用取引も一部活用するが、暴落対策は行わない。

2025年後半の運用方針|日経平均が年初来マイナスだが、グロース250指数が象徴するように、小型株中心に比較的堅調な相場が続き、去年までの半導体株を中心とした大型株優位の相場から大きく転換した。中東情勢の緊迫化でも暴落は発生せず、投資家の耐久性、投資意欲の高さを感じている。

注目セクターとして、受注単価高騰で収益性改善期待と脱中国のための造船力強化支援など追い風が吹く造船関連、好業績が続く不動産関連、再エネ普及に必要な系統用蓄電所など建設関連、先行投資から収益フェーズにシフトするSaaS系ソフト、ガバメントクラウド対応が急務の地方自治体やCASE対応を強化する自動車メーカーに強いSIerなどに注目している。


長期株式投資

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基本ステータス|(職業/年齢層/投資歴)文筆業/48歳/投資歴21年

資産額|5万円→約1.9億円

プロフィールと投資スタンス|日本の配当株メインの個人投資家。1級FP技能士。2004年に株式投資を開始。06年のライブドアショックで大きな損失を出し、その後、08年のリーマンショックで壊滅的な状況を経験。以降は配当を重視した投資戦略で着実に資産形成を進め、配当生活が視野に入った23年春に長年勤めた会社を早期退職。

投資に関する基本的な考え方は、1. 銘柄選定(業界首位級、強みの有無)/2. PER・PBRレンジの確認(数値が低い銘柄を探す)/3. 定性情報の解析(企業特有の強みなど長期保有可能かを確認)/4. ポートフォリオのバランスを意識(20銘柄以上をバランス保有)/5. 現金や個人向け国債もポートフォリオに組み込む(暴落に備える)。

2025年後半の運用方針|長期保有して配当をもらい続けることを大事な方針とする。仮に暴落が発生しても、将来的には株価は回復すると考えられ、かつ、配当をもらいながらのんびりと待てる銘柄に注目している。具体的には「INPEX」のような企業だ。

INPEXは石油・天然ガス開発国内首位の企業。2025年2月に公表された「2025-2027 中期経営計画」で累進配当政策の導入を発表し、配当の下限を90円とした。さらに、自社株買いとあわせて総還元性向50%以上を目指すなど、株主還元に積極的な姿勢がうかがえる。また、30年代初頭の生産開始を目指すアバディLNGプロジェクトなどの大型案件も進行中で、長期的な視点で注目している。


ちょる子

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基本ステータス|(職業/年齢層/投資歴)PR支援会社経営/30代/投資歴14年

資産額|240万円→2億円

プロフィールと投資スタンス|2011年に株主優待目的で購入したオリエンタルランド株が値上がりし、18年に評価額が2000万円に達した。これを元手に、19年から育児休暇中の時間を生かしてデイトレードやスキャルピングに本格的に取り組み始めたのが、投資活動の本格的なスタートとなった。

1000株でいくら利益を確定すればよいか短期売買での明確な利益目標を立てて取引を実践。アベノミクス相場の後押しもあり、21年1月には資産が1億円に到達した。

同年11月に育休から復職。仕事との両立のため、相場に張り付くことが難しくなったが、現在は「○○ショック」と呼ばれる暴落局面にのみ、大型優良株を買い進めるスイングスタイルへとシフトしている。

2025年後半の運用方針|まず注目しているのは防衛分野だ。トランプ大統領の政策の影響で各国に防衛費増額の圧力が強まり、日本も防衛費の対GDP比3.5%への引き上げを米国から求められている。トランプ大統領の政策や発言による相場への影響があったとしても、資金が流入しやすいセクターと見ており、三菱重工業、川崎重工業などに注目している。

もうひとつはホテル関連銘柄だ。政府が掲げる訪日客数の目標を背景に観光需要が再び高まると予想。現在、株式以外に銀座や汐留といったホテルを裏付けとした不動産ST(セキュリティ・トークン)にも投資。賃料収入を元にした分配金を得つつ、将来的なホテル売却によるキャピタルゲインも期待している。


名古屋の長期投資家 (なごちょう)

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基本ステータス|(職業/年齢層/投資歴)企業経営/49歳/投資歴30年

資産額|1400万円→1.65億円

プロフィールと投資スタンス|現在、209銘柄に超分散投資を行っており、ポートフォリオのなかで最も比率の高い銘柄でも2.2%にとどめるなど、日経平均とは比較にならない水準でフラットな構成を保つことを重視している。

投資銘柄は「死ぬまで保有するつもり」で選定しており、最長で23年継続保有している銘柄もある。企業の資産価値や利益構造を丹念に調べ、割安と判断できる銘柄、また事業内容から成長の余地を見込める企業を対象に、長期・広範な分散投資を行えば、成果は自然と伴うと考えている。

もちろん、市場の暴落は避けられないが、長期的な視点と徹底した銘柄分散の姿勢が、どの局面でも冷静な対応を可能にしている。

2025年後半の運用方針|基本方針として、どのような相場環境にあっても、資産価値や利益水準を基に、「割安」と判断できる銘柄を粛々と買い続ける姿勢は変えない。これは一時的なテーマや人気に左右されず、自らの基準に従って積み上げていく投資だ。

現在、注目しているのは、トランプ政権の関税政策の影響などを背景に、依然として割安で放置されている輸出関連企業。短期的な業績変動に影響されず、長期的な視点で国際競争力を維持・強化できる企業を見極めて投資したい。

金融商品としては、依然として相対的に割安感が強い日本株に注目。グローバル市場との比較においても、相対的に投資妙味がある。今後も継続して買い増していく。

次ページ > 続いて7名の個人投資家の知見を紹介

文=フォーブス ジャパン編集部

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