資産運用

2025.09.19 14:30

「億超え」個人投資家が語る、2025年後半の投資戦略と銘柄

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弐億貯男

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X|@2okutameo

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基本ステータス|(職業/年齢層/投資歴)会社員/49歳/投資歴24年

資産額|250万円 → 約3億円

プロフィールと投資スタンス|有望な投資先として私が重視しているのは、日本の割安成長株への中長期投資だ。信用取引は用いず、現物取引のみで臨む方針を貫く。具体的には、PER15倍以下で、2桁の増収増益が続く銘柄を目安にしている。

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そうした銘柄を効率よく見極めるために、成長性の高いIPO銘柄が上場直後の過熱感を経て、注目度が落ち着き、公募価格を下回る水準まで売り込まれたタイミングを狙う。いわゆるIPOセカンダリー投資を、割安成長株へのアプローチ手段として積極的に活用している。

これまで、日本株を資産運用のメインとしてきた。外国株に関しては、投資信託で、いわゆる「オルカン」を積み立てている。

2025年後半の運用方針|原則として銘柄選定にあたっては、特定のセクターに絞り込むことなく、割安成長株と判断できれば業種を問わず投資対象としている。

ただし、インフレ傾向が続き、企業にとって人件費の上昇圧力が強まるなか、2025年後半以降の投資判断では、注目する企業が提供する商品やサービスについて、適切な価格転嫁が実現できているかどうかをより重視するようにしている。

また、インフレ対応の観点から、毎月8万円の純金積立を約15年にわたって継続しており、総資産の5~10%程度を金で保有することを基本方針としている。こうした保有比率は、地政学リスクや金融市場の急激な変動に備えるための分散手段として機能すると考えている。


ぽんちよ

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Youtube|【投資家】ぽんちよ

基本ステータス|(職業/年齢層/投資歴)投資系YouTuber/32歳/投資歴約10年

資産額|5000万円→1.2億円

プロフィールと投資スタンス|2022年に早期退職して以降は、インカムゲイン狙いで高配当銘柄に投資している。

特に「配当利回り3%以上、5期連続増配傾向、5期連続売上・営業利益が拡大中」という条件のもと選定。ネット証券のスクリーニング機能を用いて、過去業績をもとにざっくりと銘柄を絞ったうえで、決算資料などを個別に確認している。特に「中期経営計画」における今後3年の事業成長と増配予定を重要視しており、3年後の予想利回りを勘案し購入するかを検討。「利回りが高い高配当株」というより「成長力の強い高配当株」という要素を大事にしている。また現在では、高配当ETFや高配当投資信託も積極的に取り入れている。

2025年後半の運用方針|10年以内に年間配当金700万円を目標としており、インカムゲインを重視した高配当銘柄への投資に注力。現時点ではエヌビディアなどの成長株の保有割合が高いが、今後はそれらを段階的に売却し、配当利回りの高い銘柄を中心に据えたポートフォリオへシフトする。

2025年後半については、中東情勢の悪化を契機に原油価格の上昇が続くようであれば、米国のエクソンモービルなどの米国エネルギー関連株や、ETF「VDE」の購入を検討している。

一方、日本株では、インフレと利上げの継続を見込み、銀行株への投資を維持。また、J-REITは基準価額が底打ちしたと見ており、保有比率を段階的に引き上げる方針だ。


まつのすけ

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blog|The GOAL(https://matsunosuke.jp)

基本ステータス|(職業/年齢層/投資歴)会社役員/40代/投資歴20年

資産額|元手40万円→14億円

プロフィールと投資スタンス|投資スタンスは、1. 需給要因に着目するイベント投資、2. 長期的な産業構造の変化をとらえるストーリー投資、3. 企業価値と割安性に基づくバリュー投資の3本柱で構成。イベント投資では、インデックス買い、TOB、株主優待、季節要因などによる需給のゆがみに注目し、過去データやボラティリティに応じた資金管理とポジショニングを重視。ストーリー投資では、AIや造船などのビッグサイクルに乗る産業を選び、前提となるシナリオが崩れていないかを継続的に確認する。バリュー投資では、PERやPBR、配当利回りといった定量指標に加え、成長性と企業の経済的な堀(エコノミック・モート)の深さとのバランスを重視している。

2025年後半の運用方針|今後の投資方針としては、引き続きビッグサイクルが継続すると見込む分野に注力している。

具体的には、生成AIや半導体需要を背景に成長が期待されるAI関連銘柄、世界的な船腹需給の引き締まりを受けた造船関連、さらに規制緩和が視野に入る米国の金融株に注目している。

有望銘柄としては、エヌビディア、ブロードコム、パランティア、メタ・プラットフォームズ、TSMCといったテクノロジー企業のほか、三井E&S、内海造船、韓国造船海洋などの造船株、ゴールドマン・サックスなどの米国金融株。また、割安株としてはSBIホールディングスにも着目しており、成長性と評価ギャップの両面に注目している。


ヤーマン

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Youtube|ヤーマンの日本1学べるデイトレチャンネル

基本ステータス|(職業/年齢層/投資歴)多業態展開の実業家/39歳/投資歴18年

資産額|200万円→2億円

プロフィールと投資スタンス|現在は、50店舗を超える美容室のほか、極蜜熟成焼き芋専門店や民泊事業など、株式投資以外にも多業態のビジネスを展開しており、兼業投資家としての立場で運用を行っている。

時間の取れる朝に1時間ほどデイトレードを行うこともあるが、基本的には中長期目線で日本株への投資を中心に据えている。なお、デイトレードは使える時間や資金のなかで取り組むものであり、万人にとって最適な投資スタイルとは限らない。

中長期投資においては、リスクを抑えることを最も重視しており、取引にあたってはあらかじめ保有株数を調整し、損切りの水準(価格帯)を明確に設定したうえで臨むことを徹底している。

2025年後半の運用方針|会社の事業として民泊を展開しており、訪日客を中心に旺盛な需要を実感。地方や中堅都市での宿泊ニーズや多様な滞在スタイルへの対応も求められ、宿泊業全体の市場は今後も拡大すると見ている。

統計でも、2024年の訪日外国人旅行者数は3686万人と過去最高に達し、政府は30年までに年間6000万人の誘致を目標に掲げている。円安やビザ緩和などの政策効果も重なり、訪日需要は中長期的に持続する可能性が高い。

さらに、30年には統合型リゾート(IR)の開業が予定されており、大阪圏を中心とする宿泊関連事業への注目は一層高まるだろう。今後も宿泊・観光関連産業を注視していきたいと考えている。


配当太郎

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基本ステータス|(職業/年齢層/投資歴)個人投資家/30代/投資歴20年超

資産額|非公開

プロフィールと投資スタンス|配当株投資を主体としており、いわゆる“お金のなる木”といえるような株を購入し、企業からの安定的な配当収入を得るというオーソドックスな投資スタイルを実践している。

このため、企業の利益水準や株主還元方針には特に注目しており、持続的に配当が出せるかどうかを軸に投資判断を行っている。年間配当が入ることで、株式市場が不安定な局面でも冷静さを保ち、継続投資ができるというのが強みだ。

自身の主力・準主力銘柄は“売る”ことを前提とせず、増やしていく方針で運用しており、毎年配当収入が積み上がっていく様子には、自分自身の成長や蓄積を感じる楽しさもある。配当株投資は、一度始めるとその魅力に引き込まれるスタイルだ。

2025年後半の運用方針|メガバンクやメガ損保については、株価が下がるタイミングがあれば、積極的に買い増したいと考えている。いずれも安定した配当が期待でき、長期的な資産形成に向いていると感じているからだ。

また、注目しているセクターのひとつが自動車関連。一部の銘柄は割安な水準で推移している。なかでもトヨタ自動車は、現時点の業績見通しに関税リスクが十分に織り込まれていない印象があり、下方修正の可能性には注意している。とはいえ、価格転嫁力のある企業であり、インフレ環境下でも強みを発揮できると考えているため、中長期的には期待している。今後の業績と株価の動きを確認しながら、投資比率を少しずつ高めていく方針だ。


配当鳥

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基本ステータス|(職業/年齢層/投資歴)個人投資家/50代/投資歴20年

資産額|約2300万円→8億円

プロフィールと投資スタンス|これまでにさまざまな手法を試してきたが、現在は主にバリュー投資を軸にしている。必然的に割安な株を選ぶことになるが、保有期間中に業績や外部環境の変化によって利益の成長が見込める銘柄を中心に投資するようにしている。そうした銘柄は、購入後に利益水準が改善することで、相対的に割安感が強まり、最終的に株価が追いついてくるというのが基本的な考え方だ。

一方で、短期的な売買では銘柄の乗り換えを積極的に行い、小さな利益を積み上げていくスタイルを取る。急激な資産拡大は見込みにくいが、大きな損失を回避しやすい。ただ、早めに利益確定し、結果的に上昇を取り逃すケースも少なくなく、今も学んでいるところだ。

2025年後半の運用方針|今後の運用方針として、景気敏感株や高配当株、TOBを狙う銘柄群ではなく、それ以外の領域に注目したいと考えている。不景気の到来も視野に、景気の影響を受けやすい銘柄は段階的に減らす予定だ。

最近では、低PBR対策として無理に配当を引き上げ、高配当のように見える銘柄が増え、実質的な収益力が伴わないケースも多い。高配当という表面的な指標にとらわれず、健全な財務と成長性を重視する。また、TOB目的の短期資金が集まる一方、それ以外の銘柄が割安に放置されている可能性もある。

AIをはじめ社会構造の変化に対応していく意識をもちつつ、数年先を見据えて成長投資を進めている企業に注目している。


舩石篤史

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X|@AtsushiFunaishi
note|株式会社ミライ品質研究所

基本ステータス|(職業/年齢層/投資歴)ISOの審査員・コンサルタント/50代前半/投資歴5年

資産額|約8000万円→ 約1.6億円

プロフィールと投資スタンス|本業ではISO審査員としてマネジメントシステムにも携わり、そこで得た体系的な枠組み(フレームワーク)の思考を投資に応用している。

特に「仮説→実行→検証→調整」というPDCAサイクルを軸に、常に投資プロセスの改善と最適化を意識している。近年は生成AIを活用することで、仮説検証の速度や網羅性が飛躍的に向上し、分析の質も高まっていると感じている。

投資スタイルはインカム重視で、外部環境の変化に応じてポートフォリオの再調整を行い、安定性と中長期的な再現性を重視している。また、自身のnoteでは、この思考プロセスや生成AIの活用事例についても発信し、同じ志向の個人投資家への共有・啓発を意識している。

2025年後半の運用方針|投資判断にもISO的なフレームワークを応用し、中長期的なリスクを多角的に分析している。その結果、日本の人口動態を踏まえ、長期的な円安進行と内需の縮小は不可避と判断している。加えて、トランプ政権の政策や関税強化を通じてドル高圧力が強まると想定。こうした前提から、2025年前半には日本株を利益確定し、米国株と高配当ETFへ資産をシフト済みだ。

後半は現行ポートフォリオを維持しつつ、円建て配当は翌年の新NISA枠に、ドル建て配当は高配当ETF(VYMなど)への再投資に充てる。10年後の配当収入と複利効果の「両取り」を狙いつつ、生成AIやブロックチェーンといった成長銘柄への投資も進めている。

次ページ > 新NISAの利用状況

文=フォーブス ジャパン編集部

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