iPhone 17 Pro/Pro Max:本格的な「道具」を求める人への回答
iPhone 17 ProとPro Maxは、スマートフォンを「道具」として本格的に活用したい人向けの選択肢だ。価格はProが税込17万9800円(256GBモデル)、Pro Maxが税込19万4800円(256GBモデル)と高価だが、提供される機能と性能は価格に見合うものとなっている。
本機の最も大きな価値はアルミニウムユニボディ構造とベイパーチャンバー冷却システムの採用だ。この仕組みを導入することで、業界でもっともパワフルで実用的なAI機能をガンガン動かし、さらに真夏に長時間の高画質撮影やCarPlayでのナビゲーションを充電しながら行う、といった過酷な環境でも性能の低下や充電不能な状態に陥ることがない。
iPhoneだけではなく、多くの高性能スマートフォンは高負荷な処理を続けると、手元が熱くなったり、充電が停止したり、あるいは最高性能が発揮できなくなる。
iPhone 17 Proは、この問題が大幅に緩和される。
長時間のビデオ会議やプレゼンテーション中も性能低下を心配する必要がなくなるのはもちろんだが、最新技術でこの問題に取り組んだ理由はプロクリエイターの要望によるものだ。
iPhoneは本格的な映画制作などにも使われ始めている。今回もイメージセンサーの情報をすべて記録する「ProRes RAW」形式に対応したほか、映像制作用途を意識したApple Log 2など、一般には耳慣れないクリエイター向け技術に対応する。
極め付けはGenlockへの対応で、この機能により複数のiPhoneを使用した本格的なトリック撮影が可能になる。映画『マトリックス』などで使われ始めた、一瞬を複数カメラで順に追いかける撮影手法である。
Genlockはともかく、本格的な映像制作機能の取り込みは企業内で動画制作を担当する人にとって、自分たち自身で映像制作に取り組むきっかけになるかもしれない。いまや誰もがクリエイターになれる時代だ。
筆者自身、最近は取材先でライブ動画を配信したり、動画制作を行うことも多くなってきているが、ほんの数年前まで自分がそのようなことをするとは思ってもみなかった。これからは誰がいつコンテンツクリエイターになるのかわからない時代だ。
一方でそうしたハイエンドの撮影環境で撮影する際に、「熱問題で肝心な時に動かない」では役に立たない。過剰なまでの冷却性能は、そもそもそうした用途に向けて開発されたものだが、スマートフォンをハードに使いこなす我々にとっても「信頼感」を高める大きな要素といえるだろう。
3つのカメラすべてが48MPになったことで、どのレンズを使っても高画質な撮影が可能になった。特に、8倍光学ズーム(200mm相当)の搭載は、ビジネス利用でも重宝する場面が多い。
また、センサーの開口率が大幅に向上したことで暗所撮影性能が向上し、照明が不十分な環境での撮影品質も大幅に改善されている。
Pro Max特有の価値は、なんといってもバッテリー持続時間だ。39時間の動画再生は、一日中外出していても充電を気にする必要がないレベルだ。また、6.9インチの大画面は、資料閲覧やプレゼンテーションには確実にメリットがある。
ただし、重量とサイズの増加は避けられない。日常的な携帯性を重視するか、画面サイズとバッテリー持ちを重視するかは、個人の使用スタイルによる選択となる。


