「高血圧」の兆候を静かに見守るApple Watch
Apple Watchはその登場以来から単なるウェアラブルデバイスではなく、ユーザーの健康を見守り、時には命を救うことのできるツールとして普及してきた。特にアップルはこのデバイスを開発した当初から「心拍センサー」と、これを活用する機能を充実させることに注力している。

今回のApple Watchの発表で特筆すべきは、ユーザーの慢性的な高血圧の兆候を検知して知らせる通知機能が新設されることだ。高血圧は、気づかないうちに全身の血管を傷つけ、心臓に脳など人間の重要な臓器に対して静かにダメージを与えている。心臓発作や脳卒中などの主要な危険因子にもなり得るが、自覚症状がほとんどないため「サイレントキラー」とも呼ばれ、多くの人々が自身の状態に気づかないまま過ごしている。
この新機能は、Apple Watchの光学式心拍センサーを用いて心拍に対する血管の反応を分析する。ウォッチを身に着けながら過ごす30日間、バックグラウンドでデータを継続的に取り続けて、高血圧の一貫した兆候が見られた場合に通知を発する。ユーザーは特別な操作をする必要がなく、通知を受けて生活習慣の改善や早期の治療に一歩を踏み出せる。

高血圧通知機能は米国のFDA、およびその他の規制当局からの承認がまもなく得られる見込みであり、米国やEUを含む150以上の国と地域で利用可能になる予定だ。日本もその中に含まれることを期待したい。承認が下りれば、watchOS 26を搭載するApple Watch Series 9以降、Apple Watch Ultra 2以降で利用できる。
ワークアウトに欠かせない存在にもなったAirPods Pro 3
AirPods Pro 3については周囲の騒音を消して音楽リスニングに没入できる、高性能なアクティブノイズキャンセリング機能を搭載するワイヤレスイヤホンだ。同時に「ワークアウトに欠かせないウェアラブルデバイス」としても、今や多くのユーザーがAirPodsシリーズのワイヤレスイヤホンを選んでいる。今年はAirPods Proがフィットネスの方向に、また一段と進化したことに筆者は注目した。

この小さな左右のイヤホンに心拍センサーが内蔵された。ユーザーはワークアウト中に心拍数をモニタリングし、そのデータを記録できる。Apple Watchから先駆けて磨いてきた心拍数計測のノウハウが、より小さなデバイスに集約されたことに驚く。ユーザーの心拍計測はiPhoneと連携しながら、AirPods Pro 3を身に着けている間は常時継続的に行われる。音楽を聴きながらワークアウトしてもいいし、Apple WatchとAirPods Pro 3を両方身に着けていれば、心拍計測の精度がさらに高くなる。


