「ミニムーン」との違いは?
ミニムーンと呼ばれる天体は、地球の重力によって一時的に地球周回軌道に引き込まれた小惑星で、準衛星とは異なる。昨年「2024 PT5」と名付けられた小惑星がたった57日間だけ地球を周回し、その後また太陽周回軌道へ戻った。ミニムーンは、ほんの短い期間のみ地球の衛星となる「一時的に捕捉されたフライバイ天体」でしかない。一方、2025 PN7のような準衛星は、数十年間にわたって軌道を維持する。
カモオアレワとの比較
地球の準衛星は、2025 PN7で7個目となる。最も有名なのは2016年に発見された「カモオアレワ(Kamo'oalewa:2016 HO3)」だ。サイズは直径約40~100m、米ニューヨークにある自由の女神像と同じくらいで、2025 PN7よりもかなり大きい。名称はハワイ語で「振動する天体」を意味し、地球から見ると揺れ動くような軌道を描くことに由来している。
2025 PN7にも探査機を送るべきか?
中国が打ち上げた無人探査機「天問2号」は、2026年7月にカモオアレワに到達し、数カ月かけて軌道上で観測を行った後、2027年に岩石などのサンプルを採取して地球へ持ち帰ることを目指している。このサンプルリターンミッションが成功すれば、カモオアレワは人類が探査した中で最小の小惑星となる。
では、2025 PN7にもいつの日か探査機が訪れるのだろうか。アマチュア天文学者のサム・ディーンはSky&Telescopeに、こう語っている。「このように非常に安定した軌道上にある天体は、探査機による探査が非常に容易な場合が多い。すでに地球にかなり接近しており、他の小惑星と比べて速度も遅い。したがってこの先、低予算ミッションでも探査やサンプルリターンは比較的簡単に行えるだろうし、小惑星採掘でさえ実現可能なのではないだろうか」


