本場インドのカレーとは異なり、日本式の「カレー」が世界的に認知され、カレーはすっかり日本食となった。カレー専門店も多く、街を歩いているとカレーの匂いに誘われることもある。しかしカレーは、家で作って食べるのが基本の家庭料理であることが調査によって明らかになった。それだけに、各家庭の「こだわり」もまた面白い。
インターネット調査事業などを展開するマイボイスコムは、1万1561人を対象にカレーに関する調査を実施した。それによると、カレーを月に1回以上食べる人が約8割。男性のほうが頻度は高く、女性は低い傾向にある。また、自宅で作るカレーを食べる人がもっとも多く8割弱。次にレトルトカレーが多いが、外食で食べる人は3割に満たない。この調査は数年おきに行っているが、自宅で作る人はやや減少傾向にあり、かわりにレトルトが増えている。コスパ重視というやつだろうか。

自宅でカレーを作る頻度は、月に1回程度がもっとも多い。2013年から頻度は減少傾向にあるものの、作る人の割合はあまり変わっていない。また男性で作る人は4割強、女性は8割強。また男性は30代が多く、女性は50〜70代が多い。

カレーを作るときは固形のルーを使う人がほとんどだ。なかでも人気なのが「ゴールデンカレー」、「バーモントカレー」、「ジャワカレー」、「こくまろカレー」となっている。なかでも「バーモントカレー」は女性に人気。ルーを選ぶ基準は、味が約7割、辛さが約4割。若い男性と30〜40歳の女性は辛いのが苦手だ。

明治初期に日本で普及してからおよそ150年。すっかり日本の家庭料理として定着したカレーは、同じルーを使っていても家庭ごとの工夫も生まれた。味噌汁と同じように「家庭の味」が作られていることも面白く、またそれが家庭料理の証とも言える。調査では、そんな工夫も聞いているので、いくつか紹介しよう。
・辛いときは粉のコーンスープを入れる。
・マグロのミンチを使ってキーマっぽく作る。
・市販のルーを2種類混ぜて好みの辛さに調整する。
・カレーだと子どもが野菜を食べるので、キノコや茄子などいろいろな野菜を入れる。
・コクを出すためにおもちを削って入れる。
・ジャガイモは重いのでかわりに大豆を入れている。



