フォーブスは9月9日、米国の400人の富豪を掲載する長者番付「フォーブス400」の2025年版を発表した。今年の最年少の富豪10人のうちの4人が初登場のメンバーで、そのうち1人は全体でも最年少だった。
「フォーブス400」に登場するビリオネアの平均年齢は70歳で、そのうち23人は90代だ。最年長は土地と製材業で財を成したアーチー・アルディス・エマーソンで、96歳になる。これに対し、一部の幸運なビリオネアたちは、比較的若くして巨万の富を築き上げた。今年の番付に名を連ねるための最低資産額は、過去最高の38億ドル(約5600億円、1ドル=147円換算)に達している。
最年少は37歳のエドウィン・チェン──初登場4名が若き富豪の顔ぶれを刷新
今年のランキングの50歳未満のビリオネアは33人にのぼり、2024年の26人から増加した。最年少の10人には新たに4人の若手が加わっており、このグループの年齢の上限は昨年と同じ42歳だった。
最年少は、今回初めて名を連ねたSurge AI(サージAI)創業者のエドウィン・チェン(37)だ。このほか、ロビンフッド共同創業者のブラッド・テネフ(38)、AppLovin(アップラビン)の初期投資家エドゥアルド・ビバス(39)、Coreweave(コアウィーブ)共同創業者ブライアン・ヴェントゥーロ(40)も初登場組である。同じくロビンフッド共同創業者のバイジュ・バット(40)は、2021年以来の返り咲きとなった。
チェン、テネフ、ビバス、そして昨年のリストで最年少だったウォルマート相続人のルーカス・ウォルトン(38)はいずれも30代であり、今年の30代のビリオネアは4人となった。これは2024年の2人から増加したことになる。一方、ベンチャーキャピタリストのジョシュ・クシュナーは40歳になり、このグループから外れた。
資産相続者はウォルトンの1名のみ、ザッカーバーグが資産増の大部分を牽引
ククシュナーはニューヨークの不動産王チャールズ・クシュナーの息子だが、資産は自らのVCファーム「Thrive Capital(スライブ・キャピタル)」で築いたものだ。これにより、2025年の最年少ビリオネア10人の中で、相続によって富豪となったのはウォルトンただ1人となった。
全体として、この10人の若きビリオネアの資産総額は3570億ドル(約52兆円)近くに達し、2024年の2730億ドル(約40兆円)から増加した。この総資産840億ドル(約12兆円)の増加分のほとんどは、メタCEOのマーク・ザッカーバーグ(41)がもたらした。米国で3番目の富豪である彼の資産は、この1年で720億ドル(約11兆円)増え、2530億ドル(約37兆円)に達している。
2025年版フォーブス400の最年少の富豪10人を紹介
下記に2025年版フォーブス400の最年少の富豪10人を年齢の高い順に掲載する(資産額は2025年9月1日時点のもの)。日本円による金額は、1ドル=147円換算。
10. ネイサン・ブレチャージク(42)
資産額:87億ドル(約1.2兆円)|資産の源泉:Airbnb(エアビーアンドビー)
Airbnbの共同創業者3人のうち最年少のブレチャージクは、同社の立ち上げメンバーの1人だ。その事業は18年前、アパートの床に置いた1つのエアマットレスから始まった。それ以来、Airbnbのホストは220カ国以上で延べ20億人のゲストを迎えてきた。同社の最初のエンジニアだったブレチャージクは、現在も会社の技術面全般を統括している。
9. マーク・ザッカーバーグ(41)
資産額:2530億ドル(約37兆円)|資産の源泉:Facebook(フェイスブック)
ザッカーバーグは、ここ1年でメタの経営陣の再編に取り組み、AI分野での覇権争いにも直面した。6月にはScale AI(スケールAI)の株式49%を140億ドル(約2兆円)で取得し、その共同創業者で元CEOを新設したAIラボのトップに迎えた。ザッカーバーグは、著名なAI人材2人に対してそれぞれ10億ドル(約1500億円)規模の報酬パッケージを提示したと伝えられる。さらにOpenAIから18人の従業員を引き抜いたが、その一部はすでにメタを離れたという。
彼が19歳のときにハーバードの学生寮で立ち上げたフェイスブックの親会社メタの株価は過去1年間で42%上昇し、彼の資産は720億ドル(約11兆円)増加した。



