世の中にはなぜ蚊に刺されやすい人と刺されにくい人がいるのだろうか? オランダの大学の研究チームはこの疑問を解明するため、大勢の人が集まる音楽祭に蚊を持ち込んで実験を行った。それによると、蚊はビールを飲んだ人の血液を特に好むことが判明した。
ローランズは、オランダで最も人気のある音楽祭の1つだ。2023年の同音楽祭には、米歌手ビリー・アイリッシュや英バンドのフローレンス・アンド・ザ・マシーンなどが出演した。その年の音楽祭は3日間で約6万人の観客を集めたが、同時に数千匹の蚊も押し寄せた。大規模な催しには付き物の招かれざる蚊もいたが、多くの蚊はオランダ東部ナイメーヘンにあるラドバウド大学の研究者らが、創造的な研究の一環として持ち込んだものだった。
同大学医学部のフェリックス・ホル准教授が率いる研究チームは、なぜ一部の人が他の人より蚊に刺されやすいのかを解明しようとした。8月の週末に開かれる音楽祭は数千人もの人々でにぎわい、その答えを見つけるのに最適な場所だと思われた。そこで研究チームは、音楽祭の来場者に蚊の入った箱に腕を入れるよう呼びかけた。この実験では参加者に危害が及ばないよう、十分に配慮されていた。実験に参加した人たちの腕は、蚊がにおいを嗅ぎ取れるよう、香りを透過させる穴の開いた素材で保護されていたが、その穴は非常に小さく、蚊が実際に刺すことはできなかった。
蚊はビールを好むが、シャワーと日焼け止めは苦手
音楽祭の期間中、約500人が蚊の箱に腕を入れる実験に参加した。すべての反応は研究者が後から分析できるよう、動画で記録された。参加者は音楽祭での自身の行動に関する質問票にも回答した。
これらの質問票の回答を、各人の腕に止まった蚊の数と滞留時間を示した動画と比較することで、研究者らは興味深いパターンを発見した。最も蚊を引き寄せたのは、ビールを飲んだ人、大麻を吸った人、他人とベッドをともにした人たちだった。ホル准教授らは論文の中で、「蚊は単純に人間の中の快楽主義者に興味を持っているようだ」と論じた。一方、日焼け止めを塗っていた人や直前にシャワーを浴びた人は、蚊にとって魅力的ではなかった。



