VISUPのSara Strizzolo氏は、「スマート家電には便利な機能がたくさんあるのに、埋もれてしまっているものも少なくない。AIとチャットできるユーザーインターフェースが、スマート家電のペインポイントを解消してくれるはず」と期待を語っていた。IFAの期間中は、欧州を中心に多くの家電メーカーとの商談もできたことで「出展した甲斐があった」とも話していた。
もう一社はドイツ南西部シュトゥットガルト近郊に本社を構えるNEURA Roboticsだ。同社は昨年に続いてIFAの会場に、ヒューマノイドロボット「4NE-1」を出展した。最新のモデルは「Gen3」。同社のCEO兼ファウンダーであるDavid Reger氏は本体の耐久性能とフレキシビリティが高まったとCEOは説明した。
2019年に創業したNEURA Roboticsは、ロボットのハードウェアからソフトウェア、開発・導入のノウハウまで全方位に提供できる企業だ。コロナ禍の中でも急速に事業を伸ばし、すでに700人以上の従業員を抱えている。例えば、パートナーが必要とするカスタムメイドのロボットアームなどの設計・開発も可能で、日本にも川崎重工などの大手企業のパートナーが数多くいるという。
Reger氏は、ロボットが社会で活躍する機会は産業や医療など多岐にわたると述べ、「スキルワーカーが必要とされる現場の人手不足解消の手段として、ロボット導入を中核とするデジタルトランスフォーメーションを提案したい」と、先端技術を通した社会貢献にかける意気込みを語った。
筆者も今年のIFAがコロナ前の熱気を取り戻しつつあることを肌で実感した。生成モデルをベースとしたAIエージェントを搭載する生活家電には、おそらく来年のIFAでは中国のメーカーも参入して大いににぎわうだろう。
8月下旬にはグーグルが家庭向け音声操作差に対応するAIエージェントの新技術「Gemini for Home」を発表した。今年の2月にアマゾンが発表したAlexa+(アレクサプラス)の年末に向けた動向も気になる。2026年は「生成AI家電」が本格的にブレイクする元年となる可能性が高いと筆者は思う。
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