モビリティ

2025.09.09 11:00

ウェイモのロボタクシー事業に「148兆円」のビジネスチャンスか、爆発的成長への期待高まる

サンフランシスコの市街地を走行するWaymoのロボタクシー(Photo by Smith Collection/Gado/Getty Images)

「『もっと急げ』という投資家もいるが、彼らはウェイモがまだ、長い道のりの終盤ではなく、始まりに近い段階にあることを理解していないのではないか」と、自動運転システムを研究するカーネギーメロン大学のフィル・クープマン名誉教授は語る。「ウェイモは、これまで膨大な労力を費やして、車を実際に走らせ、サービスとして世に出してきた。しかし、本当に難しいのは、その後のスケールアップだ。『もうほとんど準備完了だ』と考える人は多いが、そうではない。チャーチルの名言を借りるなら、これは『始まりの終わり』にすぎない」

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2021年4月からウェイモの共同CEOを務めるテケドラ・マワカナは、資金投入や拡大を求める声には正面から答えず、「私たちは安全に事業を拡大することに注力している」とEメールで述べた。「アルファベットは非常に強力な親会社であり、筆頭株主でもある。私たちは彼らと、米国内外の都市や将来的な新規事業に向けて、安全性が必須の当社の技術を広げていくというビジョンを共有している」

ウェイモは、マスクが率いるテスラとは違い、サービスを誇大宣伝することを避け、黒字化の時期や財務上の数値目標を明示してこなかった。アルファベットのスンダー・ピチャイCEOも、7月の決算説明でこの事業の将来について多くを語らず、慎重な姿勢を崩さなかった。彼は投資家に対し、ウェイモが今年ニューヨークやフィラデルフィアを含む10都市以上でテストを実施していると説明し、「将来的には、これらすべての都市で乗客にサービスを提供したい」と述べた。

ピチャイはフォーブス宛てのEメールでもこう強調した。「現在のウェイモの成功は、グーグルとアルファベットにおける先端的なAI研究──トランスフォーマーから強化学習、コンピュータビジョンまで──の長年の積み重ねの上に築かれたものだ。それは、ユーザーや顧客の課題を解決するために私たちが積極的に投資できる能力を反映している」

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このコメントは、上場企業のCEOらしい慎重なものと言えそうだ。しかし投資家のコースラは、ウェイモのような会社にこそスタートアップ的な勢いが必要だと指摘する。「彼らは極めて慎重だ。それは安全面では良いことだし、安全基準も非常に高い。しかし、テスラのロボタクシーのように無謀になる必要はないが、もっとリスクを取れるはずだ」と彼は語る。

「ウェイモは技術を磨き、サービスを立ち上げ、運営を軌道に乗せるという点では素晴らしい成果を出してきた。しかし、スタートアップなら当然やるように、資金を大量につぎ込み、会社づくりの段階ではキャッシュフローを気にしない、という姿勢はとっていない」とコースラは続けた。

コスト削減の取り組み

一方でウェイモは、車両やハードウェア、運行コストの大幅な削減を模索している。同社が使用しているジャガーの電動SUV「I-PACE」は決して安くはなく、ベース車両の価格が約6万5000ドル(約960万円)だ。ここに13台のカメラや4基のレーザーLiDAR、6基のレーダー、外部オーディオ受信機、サーマルカメラ、そしてコンピューティングシステムを追加すると、1台あたり8万ドル(約1180万円)以上になるとフォーブスは推定している(ウェイモはこの金額について、コメントを避けた)。さらに、ライドサービスを支える人員や拠点網の拡充もコストを押し上げており、ウェイモの自動運転タクシーサービス「Waymo One」がいつ黒字化できるのか、それが可能なのかも依然として不透明だ。

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翻訳=上田裕資

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