イーロン・マスクは絶え間なくテスラの技術を誇大宣伝しているが、同社はこの分野のリーダーではない。テスラがオースティンで実施中のロボタクシーの試験運行は、人間のセーフティードライバーを乗せ、遠隔オペレーターを待機させている点で、2015年後半にウェイモが同じくオースティンの公道で行った完全自動運転の初走行と比べると見劣りする。この走行でウェイモは、法的に盲目と認定されている乗客スティーブ・マーハンを単独乗車させていた。
カリフォルニア州マウンテンビューに拠点を置くウェイモの今年の配車収益は、3億ドル(約443億円)に達する可能性がある。この額は、フォーブスが直近の乗車件数と、配車アプリ「Obi」が推定する約20ドル(約2950円)の平均運賃を元に算出したもので、2024年の推定収益の3倍に及んでいる。
「当社の収益はすでに本格的な規模に達しつつある」と、ウェイモの最高製品責任者サスワト・パニグラヒはフォーブスに語ったが、収益予想については確認を避けた。「さらに、成長について言えば、必要な労力は一段ごとに楽になってきている」と彼は続けた。
彼は週ごとの乗車件数の伸びを例に挙げた。2024年5月には週あたり5万件だった乗車件数は、2025年4月には25万件を超えた。この急増は、ちょうどオースティンでのサービス開始時期と重なり、その後、アトランタでもサービスが始まった。また、その間もロサンゼルスやサンフランシスコのベイエリア、フェニックスでの拡張が続いていた。さらに車両1台あたりの稼働効率も高まり、より多くの乗車を生み出せるようになっている。
「1台ごとの収益は、多くの人が驚く規模に達している」とパニグラヒは詳細には触れずに語った。「なぜなら各車両が休むことなく乗車を繰り返しているからだ。1台あたりの投資効率は非常に高く、ユニットエコノミクスの面でも極めて良好な進展を示している」と彼は続けた。
こうした結果、サンフランシスコのような活発な市場では、ウェイモは近く黒字化する可能性があるという。「黒字かどうかを具体的に示すつもりはないが、主要市場では黒字化の兆しが見えているのは確かだ」とパニグラヒは語った。
ウェイモはまた、忠誠心の高い顧客を獲得している。消費者支出を追跡する調査会社Indagariによれば、ウェイモの顧客定着率は配車アプリのLyft(リフト)を6ポイント上回っている。さらに利用者の所得が高いのも特徴で、年収10万ドル(約1480万円)以上の顧客が占める割合は65%に達し、Lyftの50%を上回っている。
安全性を重視する慎重な拡大戦略
ウェイモは、創業以降の16年間で、親会社のアルファベットや外部投資家から120億ドル(約1兆7700億円)以上を調達してきた。そして、さらに数百億ドル規模の資金が一気に投入されれば、世界規模での車両拡大は加速するだろうと関係者は考えている。とはいえ、同社は現在わずか2000台程度の電動ロボタクシーを稼働させているのみであり、世界で数百万台規模のタクシーや配車サービス市場の中では取るに足らない存在だ。 さらに、もしも巨額の資金を得られたとして、実際にどれほど早く拡大できるのかは不透明だ。新たな地域への急速な進出は、ウェイモが避けたいと考える重大事故や死亡事故のリスクを高めかねないからだ。


