米下院が市場構造法案を超党派で可決、独自の動き
スコット議員は今や、市場構造をめぐって3重の圧力に直面している。彼はかつて、トランプ前大統領が7月18日に署名したGENIUS法を上院で可決に導いた実績を持つ。しかし現在は、(1)自らが委員長を務める委員会の筆頭理事であるウォーレン議員、(2)法案の先行きを懸念する暗号資産業界、(3)市場構造法案の成立を目指すホワイトハウスという、3方向からの板挟み状態なのだ。
スコット議員が上院でこうした板挟みにあう一方、下院では対照的な動きが見られる。金融サービス委員会のフレンチ・ヒル委員長(共和党、アーカンソー州)が提出した下院版法案「CLARITY法(H.R.3633)」は、超党派の大きな支持を得てすでに可決されているのだ。
DeFiを擁護する非営利団体DEFが上院銀行委員会と農業委員会の指導部に送った書簡は、ソフトウェア開発者とノンカストディ型サービス提供者に対する強固で全国的な保護を求めるものだ。この書簡は、市場構造法が守るべき点を明確にしている。それは、「オープンソースソフトウェア開発に歴史的に与えられてきた保護を維持」し、開発者が「単にコードを公開したり技術支援を行ったりしただけで送金業者として規制されないようにする」ことだ。
この書簡はまた、現行の市場構造法案の草案は不十分であり、そのままでは米国のブロックチェーン競争力を危うくすると警鐘を鳴らしている。すでに米国拠点のオープンソース開発者の割合は過去4年間で25%から18%へと低下しており、その大きな要因は規制の不確実性にあるという。DEFのアマンダ・トゥミネリ事務局長は次のように語った。
「この国のデジタル金融の未来にとって、ソフトウェア開発者ほど重要な存在はない。110を超える組織やビルダー、投資家がDEFと共に結集した史上最大の暗号資産ロビー連合が、連邦レベルの市場構造法制においてソフトウェア開発者とノンカストディ型サービス提供者を守るよう議会に訴えた。この問題は暗号資産業界を一つにまとめている。米国がブロックチェーン革新で世界をリードするには、この分野で活動する人々を保護しなければならない。私たちは、開発者保護は市場構造法案に譲れない条件だという明確なメッセージを議会に送れたことを誇りに思う」。
この書簡にはBlockchain Association、Chamber of Digital Commerceといった業界団体も加わったが、長年ワシントンで暗号資産を扱うシンクタンクであるCoin Centerの署名はなかった。同シンクタンクの広報担当者は、「我々は独立性を重視しており、連合に参加することはほとんどない」と説明した。


