健康

2025.09.08 12:30

運動不足に最適、話題の「6-6-6ウォーキング」が仕事のストレスと燃え尽きを軽減する理由

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科学的根拠

マックナイト脳研究財団の理事で米ペンシルバニア大学医学部教授のロイ・ハミルトン博士によると、その魅力にもかかわらず、6-6-6ウォーキング法は科学的に研究されていない。だが、6-6-6は証拠によって裏付けられたいくつかの要素を組み合わせたものだとハミルトンは話す。

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たとえば、6・6・6に似た「1日7000歩」は心血管疾患や2型糖尿病、認知症のリスクを減らすという研究結果がある。他の研究では、このエクササイズ法は減量や筋肉強化に役立ち、メンタル能力や感情面のウェルビーイング、脳の柔軟な適応性を向上させることがわかっている。

「週に2、3回、60分間早足で歩くと素晴らしい量の有酸素運動となり、脳の健康によい」とハミルトンは説明する。「また、早朝や夕方の運動は心臓の健康や代謝、睡眠の質にも良い効果をもたらすという研究結果もある。運動前のウォーミングアップと運動後のクールダウンは、安全で効果的な運動のための最も優れた方法と考えられている」

フィットネスクラブを展開するCrunch Fitness(クランチ・フィットネス)のグループ・フィットネス担当副社長のジェイク・マクレンドンは、6-6-6は理論的には素晴らしいコンセプトだと話す。「グリコーゲンに大きく依存する強度の高い有酸素運動に対して、運動強度を一定に保つ有酸素運動は体を脂肪燃焼に適した状態に保つ」とマクレンドンは言う。「最大心拍数の70%前後になるような適度なペースで歩くといい。この強度は体脂肪の減少という点でも理想だ。これなら運動しているように感じられるが、会話はできる」

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だがマクレンドンは時間面でのマイナス点を挙げる。多くの人にとって運動に72分費やすことは無理があり、フィットネスを始めたばかりの人や運動を再開したばかりの人にとっては特にそうだという。6-6-6法は減量については言及がなく、総カロリー摂取量と十分なタンパク質の摂取に重点を置いているとマクレンドンは付け加える。

それでもダイズは、6-6-6を実践している人は、ランニングをいきなり始めたばかりの人よりも、6カ月以内にランナーになる可能性が高いと主張する。「適切な運動パターンの構築や安定した心肺機能の基盤、一貫性の維持はすべて人々が軽視しがちな重要な要素だ」と指摘する。

期限設定で達成見込みがアップ

ウェルネス習慣を改善しようと何度決意したことがあるだろうか。あるいは、もっと健康的な食事や運動をしようと何度心に誓ったことがあるだろうか。1カ月後にはその誓いは遠い記憶になっている。心当たりがあるのはあなただけではない。

「いつまでに」という期限を設定することは、健康的な習慣を身につけ、難しい目標を達成可能なものにするための確実な方法だ。というのも、その期限を守ろうとする可能性が高いからだ。「いつまでにルール」で目標を達成できる可能性が3倍になることが研究で示されている。これはかなり高い確率だと認めざるを得ないだろう。

なぜそうなるのだろうか。いつ、どこで目標に向かって行動するか(Xが「いつ」)を具体的にすることで、脳は自動的に特定の状況(「いつ」)とそれに続く行動(Yが「〜までに」)に注意するようになる。

6-6-6を「Xになったら(その時)、Yをする(その時)」という式に当てはめると、次のようになる。月曜日から土曜日までの朝6時に(X)、週に6回、60分間歩く(Y)。

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翻訳=溝口慈子

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