アンドロイド戦士
そのユニツリーは7月、低価格の新しいヒト型ロボットを発表した。このアンドロイドもそのうちウクライナの戦場に登場するかもしれない。役割は、斥候部隊の先頭を歩いてブービートラップを発見し、地雷原を抜けるルートを切り開くことや、銃撃を一身に浴びて敵の射撃陣をあばくことなどが考えられる。1台数千ドルのこうしたロボットは、能力は限られるものの、人間とは比べられないほど消耗できる存在であり、安価な使い捨て兵器として使える。この戦争に参加している現場の兵士らがこれまで、簡易式の散弾銃キットを取り付けたドローンなども容易につくり出してきたことも踏まえれば、ウクライナ側がロシア軍の塹壕を掃討するための武装型アンドロイドを即席でこしらえることも、技術的に不可能ではないと思われる。
米テスラの人型ロボット「Optimus(オプティマス)」は、じきに汎用アンドロイドワーカーとして量産されるようになるだろう。ただ、ウクライナで中国DJI製のホビードローンがハッキングされ、メーカー側の意図しない使われ方をしているように、Optimusも軍事目的でプログラムが勝手に改変されるのは避けられそうにない。
軍用ハードウェアは民生市場で扱うものとしては高すぎる。一方、逆の流れは豊富にあり、防衛調達では民生技術に追いつくのに苦労している。テロリストや犯罪組織はそのことに気づき始めており、麻薬カルテルはすでに密輸や偵察、爆弾投下のためにドローンを利用している。米国では右翼過激派グループが、来たる内戦でドローンをどう使うか公然と議論している。
米エヌビディアのような企業が製造したAI(人工知能)用半導体は密輸され、すでにロシアの高度に自律的なキラードローンに搭載されており、そうしたドローンは急速に能力を高めている。現在のような遠隔操作式ドローンやロボットは、向こう数年のうちに人間の入力をほとんど、あるいはまったく必要としなくなるだろう。
Call of Dutyの最新作が「危険なロボット」という未来を予測しているのは正しい。しかし、そのハードウェアが防衛産業から生み出されると想定している点は間違っている。「ならず者国家」、テロリスト、カルテルを含め、いまでは誰もが民生市場を通じて先進的な新技術を入手できるのだ。
この先、装軌式や装輪式、脚式、あるいはヒト型のロボットは値段が下がっていき、さらにありふれたものになっていくと予想される。こうしたロボットを早期に採用するのは、ウクライナでもそうだったように、低コストで容易に入手できる兵器システムを求め、それを斬新で創造的な方法で適応させる者になるだろう。


