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2025.12.09 14:15

カウンターに双眼鏡━━カフェx絶景、岐阜の喫茶店文化革命

人が人を呼び、集まった力が街を元気に

山々に囲まれた郡上市は水が豊かで、自然を身近に感じられる街。城下町として栄えた名残で街並みも美しく、日本三大民謡踊り「郡上おどり」など歴史ある催しも継承されている。ただし郡上市は、過疎化が進んでいる地域でもあるという。

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「郡上市は令和4年に市全体が過疎地域として認定されました。昭和50年代には5万人程あった人口は、3万9千人位に減ってきています」

岩田さんが郡上市に帰郷してから約15年。過疎化が進むのを目の当たりにしながらも、地域に起こるポジティブな変化を感じ取ってきた。

「若い子や移住してきた人たちが郡上八幡を盛り上げようとしてくれています。郡上のコミュニティの中に『こんなにすごい人たちがいるんか!』というくらい、すごい人がたくさんいるんです」

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郡上の価値を再発見してくれる人、郡上の魅力をさらに豊かにしてくれる人が増えていることに、岩田さんは大きな可能性を感じている。

「『アルケミエ 辰巳蒸留所』は、移住されてきた方が郡上の山奥でクラフトジンを造っているお店。うちの店でも辰巳さんのジンを使ったコーヒーカクテルを出しています。ほかにも、カフェをしながら狩猟をしている人や日本大会で一位になったピザ職人も。周辺の地域から『最近の郡上ってすごいね』という声が聞こえるようになりました」

郡上の変化を肌で感じてきた岩田さんが思う、地域活性化に必要なこととは。

「地域を盛り上げていくには、移住者を受け入れたり観光に力を入れて外から人を呼んだりすることが大事だと思います。人が集まって何かを起こしていると、よりたくさんの人が集まってくる。地域でもいろいろな団体やコミュニティが集まって、まち作り協議会やワークショップが開かれています。僕もたまに参加させてもらったりしますが、強い意志を持っている人たちが多いです」

住む人々の相互作用で、地域活性化の輪が広がりつつある郡上市。「平野商店」もそのひとつだ。常設店舗はsupple coffee roasters、古道具リメイク家具屋のgugulab、美濃和紙と関刃物の紙刃楽。マルシェ開催日には個性豊かな店が街を賑わせる。

「昔は酒屋だった大きなスペースで、駐車場として利用されていました。大家さんが『うまく活用してほしい』と言ってくれて、郡上八幡産業振興公社が入り、人が集まる酒蔵マルシェになったんです。僕も入れさせてもらっていますが、立地も吉田川と小駄良川が出会う場所ですし、この辺り全体がめちゃくちゃ面白くなりそうです」

地域を元気付けるアクションがポジティブな循環を巻き起こす。郡上市八幡町は、これからもますます面白い街になっていきそうだ。郡上八幡を訪れたときは、supple coffee roastersのスペシャルティコーヒーを飲みながら、街の魅力を発見してみてはいかがだろう。

supple coffee roasters


※本記事は『読むふるさとチョイス』(2024年8月まで公開)からの転載です
※2022年12月21日掲載 価格等は取材当時のもの

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