暗号資産

2025.09.08 11:30

暗号資産XRPのリップルと米SEC双方が控訴取り下げ、今後5年の動向を探る

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今後5年間におけるXRPの見通しが重要な理由

XRPが成功するかどうかは、単なる仮想通貨取引にとどまらない意味を持つ。低・中所得国への国際送金は、2024年に6850億ドル(約101兆7300億円)に達し、その平均手数料は、国連の目標である3%をはるかに上回る約6%となっている。手数料におけるこうしたギャップは、受取人にとって、何十億ドルという収入減につながる。こうしたなかでブロックチェーンの決済インフラは、明確な違いを産む可能性がある。

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XRPは、このようなフローに適している。当方勘定(nostro勘定)/貴方勘定(vostro勘定)に事前に資金を供給することなく、流動性の低い2つの通貨ペア間をブリッジ(橋渡し)することができ、銀行や決済サービスプロバイダーの運転資金を解放できるからだ。

規制当局や財務担当者、エンドユーザーが、ステーブルコインやCBDC(中央銀行発行デジタル通貨)よりもXRPを選ぶかどうかが、2030年までの現実世界の市場シェアを大きく左右するだろう。

流動性の動向もカギとなる。Kaiko(カイコ)のデータによれば、XRPのオーダーブック(売買注文を一覧にしたもの)におけるデプス(市場の流動性)は、2024年後半と2025年に顕著に改善された。これは、機関投資家が求める、「より狭いスプレッド(買い注文の最高価格と、売り注文の最低価格の差)」と「確実な取引実行」にとって前提条件になるものだ。

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市場におけるXRPの現在のポジション

XRPは、2025年8月25日現在2.96ドル付近で取引されている。時価総額は約1760億ドル(約26兆1380億円)であり、時価総額上位3つの暗号資産にランクインしている。主要取引所では、1日の取引高が20億ドルを超えることもある。

過去のピーク値は、3.84ドル(CoinMarketCap)や3.65ドル(CoinGecko)と、データ提供者によって若干異なるが、いずれにせよXRPは、2018年以来の持続的な最高値付近で取引されている。

価格の歴史と最近の業績

XRPが急騰し、初めて3ドルを超えたのは、2017~18年の強気相場の時であり、投機的熱狂と、初期のリップルとの提携に牽引された形だった。しかし、2020年12月にSECが起こした訴訟により、規制状況が懸念されるようになり、その勢いは失速した。

裁判所は2023年7月、公的取引所におけるXRPのプログラマティック販売(自動売却)は有価証券取引に該当しない、との判決を下した。しかし、一部の機関投資家向け販売は、証券取引法に違反するとされた。

両陣営ともに控訴したが、2025年8月の控訴の相互取り下げにより、この分裂した判決が確定した。市場の反応は即座に現れ、XRPは1日でおよそ5%上昇した。

時価総額および取引量の推移

XRPは、毎日数十億ドル規模の取引高と、幅広い取引所での取り扱いを維持している。1%マーケットデプス(現在の市場価格から1%以内の範囲にどれだけの売り買い注文があるかを示す指標)などの流動性指標は改善しており、XRPは、市場の急変動に対してより強固になった。機関投資家による大規模な注文にも、大きなスリッページ(slippage:注文を出した価格と、実際に約定した価格との間に発生する差)を起こさずに対応できるようになっている。

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翻訳=ガリレオ

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