北米

2025.09.05 12:00

クリスマス支出を抑える消費者が増加傾向、Z世代の財布のひもは固く 米国

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コンサルティング大手プライスウォーターハウスクーパース(PwC)が3日に公表した調査結果によると、米国人は今年のクリスマスシーズンに支出を抑えようとしている傾向があることが判明した。中でも、17~28歳に当たるZ世代の節約志向が強いことが示された。

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実際にクリスマス向けの支出が縮小すれば、2020年以降初となる。調査は6月26日~7月9日にかけて、米国の消費者4000人を対象に実施された。報告書は、関税を巡る懸念や経済状況の変化により、消費者の支出計画が変更される可能性があると警告した。

調査では、米国民の84%が向こう6カ月間の支出を削減しようとしていた。全体的な平均消費支出は5%減少すると予想される一方で、Z世代はクリスマス向けの予算を23%削減する計画だと回答。これは他のどの世代よりも高い削減率となった。PwCは「小売業者は今年、Z世代の縮小する可処分所得を巡って激しい争いを繰り広げることになるだろう」と報告した。

調査結果に基づくと、全体的な支出は減少が予想されるものの、米国人は依然として贈り物や旅行、諸経費を含むすべての休暇関連支出に相当な金額を費やす計画を立てているようだ。最も多くの支出を予定していたのは29~44歳のミレニアル世代で、平均で2190ドル(約32万5000円)だった。次いで45〜60歳のX世代が1483ドル(約22万円)、Z世代が1357ドル(約20万1000円)、61~79歳のベビーブーマー世代が1180ドル(約17万5000円)だった。

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支出額の予測に加え、本報告書には消費者がいつ、どこで、どのように買い物をするか、また何を優先するかなど、追加的な洞察も含まれている。

経済的な圧迫を感じているZ世代

今年のクリスマスシーズンを控えたZ世代の状況は、支出を前年より37%増やす計画を立てていた昨年の動向から一変した。今年の調査では、Z世代の25%が自身の経済状況が1年前より悪化していると回答し、昨年の17%から増加していることが浮き彫りになった。

PwCのアリ・ファーマンは、今回の調査結果に関するインタビューで次のように述べた。「Z世代が示すのは、まさに成人期を迎えた世代の姿だ。Z世代の現在の平均年齢は22歳で、最年長が29歳だ。ちょうど子どもを持ち始め、住宅ローンを組むようになり、予算の立て方やお金をやりくりして支出を管理する方法を学んでいるところだ」

だが、問題は経済的な圧力だけではない。「これは小売業者が顧客のニーズや期待に応えていないことを示す確かな兆候だと私たちは考えている」

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翻訳・編集=安藤清香

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