北米

2025.09.05 12:00

クリスマス支出を抑える消費者が増加傾向、Z世代の財布のひもは固く 米国

Shutterstock.com

価値と価格の透明性に重点を置くZ世代

ファーマンは、Z世代は物価が上昇する時代に育ったため、他のどの世代よりも価値と価格の透明性を重視していると分析している。さらに、Z世代がソーシャルメディア(SNS)の「常に更新されるフィード」とともに育った世代であるために、流行をいち早く取り入れ、いち早く見捨てる傾向があると説明。Z世代はSNSで見たものが即座に商品棚に並ぶことを期待しているが、小売業者はZ世代が満足のいく速さでこれを実現することに苦労していると述べた。

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Z世代は対面での体験を重視する世代でもあり、実店舗の客足増加をけん引している。他方で、来店客数が売上高に結び付いていないとファーマンは指摘する。「Z世代は買おうとしないのだ。では、なぜそうなったのかという疑問が生じる。これは小売業者にとって、その転換を捉える絶好の機会だ。店舗をもっと体験型の目的地にする必要がある」とファーマンは述べ、限定商品の発売や宝探しイベント、インフルエンサーとのコラボレーションなどを例に挙げた。その上で、小売業者はZ世代の独自性と価格に対する要求のバランスを取る必要があると指摘した。

PwCの調査によると、消費者は例年より早くクリスマスの買い物を開始し、サイバーマンデー(訳注:11月の第4木曜日とされる米国の感謝祭の翌月曜日に実施されるオンラインショッピングのセール)までに購入の8割を完了すると見込まれている。

贈り物として人気があるのは、ギフト券やおもちゃ、衣類、消耗品などだが、今年は食品の人気も高まっている。報告書は「衣類や電子機器とは異なり、食品は多くの消費者が今年求めているもの、つまり手頃な価格や気前の良さ、そして個人への配慮といったものを、家庭に不要な物を増やすことなくもたらしてくれる」としている。

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商品価格の高騰を回避する手段として注目されるギフト券

報告書によると、高騰する商品価格を回避し、予算内に収める手段として、贈り物にギフト券を選ぶ消費者が増えている。「100ドル(約1万4800円)のギフト券は、たとえ1年前より購入できる量が減ったとしても、依然として気前の良さを示すことができる贈り物だ」

また、消費者はクリスマス向けの贈り物を決定する際に、最新技術を活用する傾向が強まっている。Z世代とミレニアル世代の約15%が、贈り物を選ぶ際に人工知能(AI)を活用する予定だと回答した。

報告書によると、クリスマス向けの買い物について、オンラインと実店舗での購入を計画する人の比率が今年はほぼ同水準となり、調査開始以来初めて均衡に近づいていることが明らかになった。回答者の51%が、アマゾン、イーベイ、エッツィーなどのオンラインショッピングの利用を予定していたのに対し、実店舗での購入を考えている人も53%に上った。

実店舗で買い物をする理由については、消費者のほぼ半数に当たる48%が「商品と直接触れ合うため」と回答。38%は「プロモーション」、25%は「クリスマスシーズン特有の雰囲気を味わうため」だと答えた。

forbes.com 原文

翻訳・編集=安藤清香

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