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2025.09.25 11:00

太陽光発電に「攻めの運用・保守」を。業界転換を見据える、新社長の事業方針と人財育成

日本の再生可能エネルギーの主力となる太陽光発電は、激甚化する気象災害への対策や維持管理コストの増加など多様な課題に直面している。太陽光発電所、蓄電所の運営・維持管理サービスを提供するオリックス・リニューアブルエナジー・マネジメントは課題にどう向き合うのか。新社長に展望を聞く。


脱炭素社会の実現に向け、推進の動きが広がる再生可能エネルギー(以下、再エネ)。国の第7次エネルギー基本計画では、40年度の電源構成で再エネは40~50%を占める見通しが示され、なかでも太陽光は23~29%と最も高い比率となっている。太陽光発電は、日本のエネルギー政策の中核を担う存在なのだ。

2018年設立のオリックス・リニューアブルエナジー・マネジメント(以下、OREM)は、オリックスが運営する太陽光発電所のO&M事業からスタートし、21年からオリックス以外の発電事業者へのサービス提供を始め、2025年現在では国内約220カ所の太陽光発電所・蓄電所のアセットマネジメントやO&Mなどを手がける。今年3月に代表取締役社長に就任した片下篤(以下、片下)は自社についてこう語る。

「日本では12年から始まったFIT制度(再エネの固定価格買取制度)を契機に運転を開始した太陽光発電所が多く、オリックスも例外ではありません。同年から大規模太陽光発電(メガソーラー事業)を手がけ、そのO&M部門として独立したのがOREMです。O&Mが主力事業でありながら、発電事業者の視点や知見を兼ね備えているのが私たちの強みです」

適切なメンテナンスが「投資」になる

発電事業者としての視点とはつまり、O&Mにかかる費用を「コスト」ではなく将来の収益を生む「投資」ととらえられるということだ。太陽光発電事業においては、適切なメンテナンスの実施が発電量の最大化と長期安定稼働につながる。

実際にOREMは、ドローンやAIなどのテクノロジーを駆使した点検や、パネル洗浄や除草などのO&Mメニューを拡充。発電所ごとに最適な環境に整備することで、オリックスからの受託容量(約400MW)に対し、システム出力係数(PR値:発電所の生産性を数値化する評価指標)約4%の改善の実績を有する。400MWの4%は、16MW相当の出力だという。

「これが数年累積すれば大きな差になりますから、メンテナンス費は“投資”ととらえられます。こういったデータはグループでメガソーラー事業に取り組んできた試行錯誤の成果として得られたもので、多くの事業者はこれに資金をかける余裕はありません。だからこそ、我々の知見を活用してほしいと思っています」

オリックス・リニューアブルエナジー・マネジメントの片下篤
オリックス・リニューアブルエナジー・マネジメントの片下篤

2032年に迫る2つの「期限」

一方で太陽光発電は、この先数年で大きな変化を迎える。

「太陽光パネルの耐用年数は、一般的に20~30年です。今後多くの発電所がパネルの経年劣化の問題に直面していくことになります。さらに、FITによる固定価格での買取期間は20年。2012年頃に運転開始した発電所の事業者は2032年以降、事業継続か、撤退か、発電所の譲渡かの判断を迫られます」

OREMが2024年から使用済み太陽光パネルのリユースサービスを始めたのは、この将来を見据えてのことだ。寿命を迎えたパネルの大量廃棄が2030年問題として懸念されており、適切な処理体制の構築は急務だ。リユースパネルの活用は、大量廃棄を防ぐとともに、太陽光発電所の新設コストの削減も期待できるのだ。

さらにOREMは、撤去・修繕・建て替え・新設などの受注機会の増加、O&M事業との相乗効果を見込んで建設業許可を取得し、コンストラクション事業へ進出していく予定だという。再エネ電源のオールインワンサービスプロバイダーとして受注体制を整えるのが狙いだ。

また2024年OREMは、蓄電所向けのO&Mサービスも開始。蓄電所は需給バランスを調整し、再エネ電源の課題である出力の不安定性を解消する手段として期待されている。電力の安定供給と系統の信頼性向上を実現するためには、分散型エネルギーシステムの中核を担う蓄電所の普及拡大が不可欠である。OREMは、こうした社会的要請や技術革新、顧客ニーズなどの変化に対し、きょうじんな組織体制のもとに「攻めのO&M」を体現しているといえるだろう。

インフラ技術者の誇りを守り、育てる

昨今、多くのインフラでは技術者不足に直面しており、OREMも例外ではない。電気設備の運用には原則電気主任技術者の選任が法律によって義務づけられているが、少子高齢化の影響による人材不足が今後深刻になる。

またAIやデジタル化に対応できる知見・スキルを兼ね備えた人材が求められてもいくだろう。OREMでは現役の有資格者による技術継承、中途採用への注力とともに、若手や未経験者もカバーできる教育プログラムの再構築を喫緊の課題に掲げ、多方面で人材育成に取り組んでいる。

「電気主任技術者は単なる技術者ではなく、国家資格による業務独占資格であり、電気設備の安全性を確保し、事故や障害の未然防止を担う保安監督者として法的責任を伴う誇り高い職務。社会の維持・存続に直結するインフラにかかわる仕事として、いかにやりがいをもてるかという点は軽視できません」

その言葉を裏付けるのが第三者機関による認定である。OREMはGreat Place To Work® Institute Japanに「働きやすさ」と「やりがい」の両方を兼ね備えた企業として3年連続で認定されている。

その背景には、ジョブ型雇用に基づいた人事評価制度がある。職務内容の明確化で、貢献に応じた適正な待遇を実現し、不合理な待遇差を解消。組織の生産性向上や、必要なスキル・経験をもつ人財の採用、社員のモチベーション維持・向上につなげている。

「他業界からの転職者にとっても、期待される役割や業務遂行レベルが明確なため組織への適応が早く、給与水準も会社への貢献度に応じて納得感のあるレベルに到達しやすいと思います。一方で、業務の多様化に伴うジョブ定義の難しさにも直面しています。業務時間だけでなく、効率性も含む評価にするなど、皆が納得できる制度を目指すとともに、働く人のスキルアップを後押しする機会創出や人事規則の見直しなど、各種制度改定に取り組んでいます」

さらに、業務改善や生産性向上を実現する仕組みづくりなど、社員の発案による新しいプロジェクトが次々に生まれているOREM。再エネビジネスは今まさに転換期を迎えているからこそ、自律的かつ未来志向で共働できる気概のある人材が望ましいと片下は語る。

「再エネ電源に対しては、世論の風当たりが強い側面もありますが、環境問題に対応するためにもますます欠かせないものになっていきます。だからこそ、既設の太陽光発電所や蓄電所を適切に管理し、より良い状態で次世代へつないでいきたいですね。そして社会インフラを担う社員は、使命感をもって職務を全うしています。働きがいをもてる組織であると同時に、皆が使うエネルギーを支える仕事として、社員の家族や地域社会に誇れる事業であり続けることも、私たちが忘れてはいけない重要なミッションです」

オリックスグループ内でも比較的若くして社長就任とな った片下。トップのフレッシュさ、柔軟な感性が現場の技術者とのコミュニケーション面でポジティブな変化となっている。
オリックスグループ内でも比較的若くして社長就任となった片下。トップのフレッシュさ、柔軟な感性が現場の技術者とのコミュニケーション面でポジティブな変化となっている。


オリックス・リニューアブルエナジー・マネジメント
https://www.orix.co.jp/orem


かたした・あつし◎1979年、神奈川県生まれ。2005年オリックスに入社し、不動産ファイナンス部門、アセットマネジメント部門を経て、2013年より環境エネルギー本部にて複数のメガソーラー開発プロジェクトを担当。経営企画やサステナビリティ部門を経験したのち、2023年3月にオリックス・リニューアブルエナジー・マネジメントの戦略責任者に就任、2024年4月執行役員副社長に就任、2025年3月代表取締役社長に就任。

Promoted by オリックス・リニューアブルエナジー・マネジメント | text & edited by Ayako Tajiri | photographs by Yuta Fukitsuka