クストーの探査から50年近く、再びテレビ番組の企画で3Dマップが作製された
その後、グレート・ブルーホールは人気のダイビングスポットになった。また、その謎を解き明かしたいと意気込む海洋学者や地質学者、冒険家たちを引きつけてきた。
垂直にそそりたつ特徴的な側面と、海中に沈む鍾乳石は、今でもこの場所の大きな魅力となっている。一方で、ダイバーたちはこのシンクホールに生息する多様な海洋生物についても記録し始めた。この穴では、ペレスメジロザメやハタ科の一種である巨大魚「タマカイ」、あるいは深さに応じた深海生物などが泳ぎ回っている。
しかし、実際の地形を忠実に写し取った、グレート・ブルーホールの詳細な3Dマップが作製されたのは、クストーの最初の探査から50年近く経ってからだった。ソナー(水中音波探査)技術や水中機材の進歩により、この陥没孔の内部の完全なデジタル再構成が可能になったのだ。
2018年に、有人潜水艇を設計・製造するAquatica Submarines(アクアティカ・サブマリンズ)が、ジャックの孫にあたるファビアン・クストー、実業家のリチャード・ブランソン、副船長のエリカ・バーグマンと共同で、高度なソナー技術を活用して、グレート・ブルーホール内部の完全な3Dデジタルモデルを世界で初めて完成させた。
探査チームは水深91m付近で、分厚い硫化水素の層に遭遇した。この層が酸素と光を阻み、その下にはいかなる海洋生物も生きていけない「死のゾーン」が生まれていた。
この層から下は完全な無酸素状態で、プラスチック廃棄物から死んだ巻貝まで、この水域に落ちたものはすべてそのままに保持される。酸素がまったくないという極端な環境条件により、腐敗や分解といった反応が起きないからだ。
この時行われたマップ作製のための探査により、水深約88m付近に炭酸カルシウムの層があることも判明した。これは、この陥没孔が海面上昇によって海底に沈むまでのあいだに、サンゴが生息していた時期があることを示すものだ。
さらにダイバーたちは、シンクホールの側壁を砂が滑り落ちている様子も観測した。これは、グレート・ブルーホールが時間と共にゆっくりと埋まりつつあることを示唆している。
この探査の模様は、ディスカバリーチャンネルで生中継された。ジャック・クストーの時代と比べると、使われる技術には変化があったものの、その責務は変わらない。それは、海洋の驚異を理解し、守るために探査・記録し、若い世代を触発することだ。


