キャリア

2025.09.11 07:15

早期離職で640万円の損失 企業が隠すコストの正体

Getty Images

後悔の背景にある「転職市場の厳しさ」

早期離職を後悔する理由で「転職活動が大変になった」(66%)が最多となったのは、転職市場における早期離職者への厳しい視線を反映している。

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実際の体験談を見ると「書類選考の時点で落とされてしまう」「子どもが小さかったので『急な休みを取られると困る』という理由で雇ってもらえなかった。早期離職した会社でもう少し耐えられていればと後悔した」「早期離職の理由ばかり聞かれて、正直に回答しても理解されなかった」といった声が寄せられている。

希望する再就職ができなかった(35%)、キャリアアップの機会を失った(30%)、スキルアップの機会を失った(17%)といった長期的な影響も深刻だ。

早期離職を後悔したことがある人で後悔した理由(複数選択)
早期離職を後悔したことがある人で後悔した理由(複数選択)

企業の隠れたコスト640万円の内訳

入社から半年で早期離職が発生した場合、企業の損失額は640万円にのぼるという。その内訳を見ると、在籍期間中の人件費(360万円)が最大で、採用費用(180万円)、マネジメント費用(36万円)、業務引継ぎ費用(20万円)、採用関連人件費(20万円)、教育研修費(18万円)、引留め面談費用(6万円)となっている。

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この数字は年収600万円程度の人材が6ヵ月で退職した場合の試算だが、実際の損失はさらに大きい可能性がある。採用から戦力化までのプロセスが無駄になるだけでなく、残った社員への負担増やモチベーション低下といった間接的な影響も考慮する必要があるからだ。

若い世代ほど後悔する傾向

年代別で見ると、早期離職を後悔する割合は20代が27%で最も高く、30代21%、40代以上17%と若い世代ほど高くなっている。これは若い世代の方が転職市場での評価を気にする傾向があることや、キャリア形成への影響を重視していることの表れとみられる。

期離職を経験したことがある人で早期離職を後悔したことはあるか
期離職を経験したことがある人で早期離職を後悔したことはあるか

一方で、早期離職の経験自体は年代によって大きな差がない(20代32%、30代34%、40代以上30%)ことから、離職に至る構造的な問題は世代を超えて存在していることがうかがえる。

この調査で注目すべきは、早期離職の理由として「ハラスメント」や「人間関係」といった個人の問題ではなく、「情報の相違」が最上位に来ていることだ。640万円という企業損失と、転職活動の困難という個人の損失という「負のスパイラル」を解決するヒントは、採用プロセスでの正直な情報開示にあるのかもしれない。

【調査概要】
調査対象:『エン転職』を利用するユーザー2502人
調査期間:2025年7月1日~8月3日
調査方法:インターネットによるアンケート

プレスリリース

文=池田美樹

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