入社から半年以内の早期離職が深刻な課題となっている。エン・ジャパンの調査によると、転職サイト利用者の31%が早期離職を経験しており、企業側の損失は1人当たり最大640万円に達することが明らかになった。
しかし、注目すべきは早期離職経験者の心境だ。20%の人が早期離職を後悔しているが、その最大の理由は「転職活動が大変になった」(66%)という現実的な問題だった。会社への不満で辞めたにも関わらず、次の転職で苦労することへの後悔が最も多いという皮肉な結果となっている。
「情報と現実のギャップ」が離職の最大要因
早期離職の理由を詳しく見ると、「入社前に聞いていた情報と違った」が38%で最多となった。続いて「ハラスメントに遭った」(30%)、「人間関係が悪かった」(27%)が上位を占めている。
実際の体験談からは深刻な実態が浮き彫りになる。「未経験でも大丈夫と言われたが、教育担当者も忙しすぎて放置された」「配属先に派閥があり、どちらの指示に従えばいいかわからなかった」「入社前に聞いていた年間休日が20日も違った」といった声が寄せられた。
特に深刻なのは「身内で構成された会社でモラハラやパワハラが日常的に行われていた」「デザイナー職で入社したが、会社独自ルールの事務仕事ばかり任された」といった、職場環境や業務内容の根本的な相違だ。
営業職と事務職で早期離職が多発
職種別で見ると、早期離職が最も多いのは「営業系」(22%)と「バックオフィス・事務系」(21%)だった。これらの職種は求人数が多い一方で、実際の業務内容や職場環境について十分な説明がなされないまま採用されるケースが多いとみられる。
営業職では「入社前に研修があると聞いていたが、いきなり知識なしでの営業活動を強要された」、事務職では「会社独自ルールを設けた事務仕事を多く任され、教育制度も整っていなかった」といった事例が報告されている。
44%が「ネガティブ情報も聞けていれば」
興味深いのは、早期離職経験者の44%が「事前にネガティブな情報も聞けていれば、早期離職をしなかった」と振り返っていることだ。良好な人間関係(43%)、社内の雰囲気の良さ(38%)も重要な防止要因として挙げられている。
これは単に「良い条件」だけでなく、職場の現実を包み隠さず伝えることが、結果的に双方にとって有益であることを示している。尊敬できる上司の存在(24%)、仕事のやりがい・達成感(23%)、高い給与・昇給(21%)なども上位に入った。



