今回の打ち上げは真の試金石になる。最初の衛星21基の同時配備によって、このプログラムは実証段階から現実に本格運用される段階に一気に飛躍する。相互運用可能な通信衛星126基は、主契約企業3社によって3年足らずで設計・製造された。各衛星はほぼすべて市販部品を使って組み立てられ、政府の仕様と基準に従って大量に固定価格で納入されている。
実証実験では、これらの衛星群の帯域幅と処理能力は、かつて米国防総省が構想したものの実現しなかった、十億ドル単位規模のシステムを上回ることが示されている。たとえて言うなら、今日の高性能な戦闘機を、もっと速く、もっと安く、飛行中のソフトウェア更新によって定期的にアップグレード可能な、量産型ドローン(無人機)群に置き換えるようなものだ。このような変革が政府の衛星プログラムで起こったことは一度もなかった。歴史的には、性能向上はコストの増大を伴って実現されてきたのだ。
15年前、ペンタゴンの幹部らが夢見ていたことが、近く現実になる。使われる衛星はすべて米国製で、米宇宙軍が所有し、完全に軍の管理下にある。米国の宇宙兵(ガーディアン)たちは、直感的に操作できるソフトウェアツールを指先で操作することで、衛星を自在に運用し、プログラムを書き換え、更新できるようになる。支配が争われる宇宙空間を制するために、宇宙兵たちが切実に必要としているリアルタイムの機動能力も獲得できる。
SDAの衛星コンステレーションプログラムは、コストやスピードだけでなく、規模や調整、即応性という点でも前例のないものである。国防総省がこれほど大きな能力を、これほど迅速かつ低コストで配備することはかつてなかった。米議会の超党派グループ「宇宙軍コーカス」の会長で、SDAやトランプの次世代ミサイル防衛構想「ゴールデンドーム」を当初から積極的に支持してきたケビン・クレイマー上院議員(共和党、ノースダコタ州選出)は、ずばりこう言っている。トランスポート・レイヤーは「われわれの宇宙戦闘能力を拡大し、米国の宇宙産業基盤の成長を促進する」ものであると。
軍事宇宙の未来はしばらく先に訪れるものではない。時速約2万7000kmでわたしたちの上空を周回するものとして、まもなくやって来る。


