北米

2025.09.05 08:00

静かな革命、米宇宙軍が近く画期的な衛星を打ち上げる 中国の脅威に対抗

Mehaniq / Shutterstock.com

米議会からの一貫した信頼にも支えられ、SDAは文字どおり目覚ましい結果を出している。SDAのミッションには現在、主契約企業として9社が参加し、その数は年々増えている。そうしたなかで、衛星1基あたりのコストは平均およそ1400万ドル(約21億円)と、TSATの10億ドル(約1480億円)超に比べて大幅に下がっている(編集注:TSATでは5機の衛星配備が計画されていた)。SDAの最初の衛星群はすでに、第1フェーズに先立つ実証フェーズにおいてコスト、スケジュール、技術各面での画期的な目標を達成している。これら最初の衛星群は3年以上軌道上にあり、十分有望なことが確認されたため、議会も追加の配備を求めている

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この3年にわたり、米宇宙軍は地球低軌道(LEO)で新たに貴重な運用経験を積んできた。今月いよいよ始まる第1フェーズの打ち上げにより、相互接続された100基以上の低軌道衛星を統合運用することになる。各衛星は軌道上を時速約2万7000kmで周回し、約90分で地球を一周する。

これらの衛星群の運用は、赤道上の軌道を地球の自転と同じ向きと周期で公転し、地上からは静止しているように見える単一の静止衛星と通信する場合よりも、はるかに複雑なものになる。一方で、1000基以上の低コスト衛星をネットワーク化するこの新しい動的な軌道上システムは、中国の脅威に対してこれまでにない強靭性(レジリエンス)を米国にもたらす。中国が引き続き宇宙で急速にプレゼンスを拡大するなか、米宇宙軍によるこの衛星コンステレーションの構築は、米国が中国を速度、規模、精度で上回り、優位性を維持しようとしていることを示す動きだ。

しかし、現時点ではまだ米国は「勝利」を宣言できる状態になく、小さなつまずきは常に起こり得る。今日、衛星の打ち上げは日常的に行われるようになっているとはいえ、予期しない異常が発生することはいまだにある。また、衛星の設計では部品を冗長化して強靭性を高めているものの、英ワンウェブや米スペースXの「スターリンク」などの商業衛星でも繰り返し起こっているように、一部の衛星では「初期不良」が発生する可能性もある。衛星コンステレーションが完全に就役し、本格運用されるようになれば、米宇宙軍は成功を誇っていいだろうし、その歴史的な偉業は称賛を受けるに値する。

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翻訳・編集=江戸伸禎

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