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2025.09.04 17:00

グーグルへの「制裁回避で急騰」したアルファベット株、買わなくていい理由

bluestork / Shutterstock.com

グーグルはチャットボットの競合を超えられるか?

グーグルは、企業向けAIチャットボットの競争で後れを取っている。企業向け大規模言語モデル(LLM)市場では、Anthropicが利用ベースで32%のシェアを握り、最も強力なブランドを持つOpenAIが25%を占めていると、テクノロジーメディアのTechCrunchは報じた。

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AIはグーグルの成長を圧迫している。アップルのエディ・キュー上級副社長は、Safariでのグーグル検索クエリが22年間で初めて減少したのがAIチャットボットの影響だと証言した。さらにメータ判事は、数千万人がこれまで検索で行っていた情報収集を、ChatGPTやPerplexity、Claudeに移行していると指摘した。

一方、グーグルは技術力を備えているものの、ChatGPTが築いたチャットボット特有の勢いやユーザーの忠誠心を獲得できずにいる。ChatGPTの利用者数と知名度の優位性を考慮すると、グーグルが短期的にOpenAIを追い抜く可能性は低い。グーグルがチャットボットで勢いを得られない背景には、巨大な上場企業に特有の組織的・文化的な要因が存在し、「それを変えるのは容易ではない」とビジネスメディアのInc.誌は指摘した。

グーグルには、AIのために開発した専用のプロセッサ、TPUのインフラや、AIの研究開発を加速させるために設立した組織、DeepMindを通して得た技術力がある。しかし組織の機敏さやリスク許容度、消費者志向、スタートアップ的精神などを欠いており、それがOpenAIなどが市場を支配する要因になったと、技術者向けメディアのThe Pragmatic Engineerは指摘した。

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グーグルは、「スピードよりも完璧さを優先する」「製品開発が受動的」「エンタープライズ志向」といった企業文化を持ち、こうした特徴は、消費者市場でのチャットボットの成功に必要な条件と根本的に対立する。

アルファベット株の見通し

アナリストは、アルファベット株を割高とみている。金融テクノロジー企業のTipRanksによれば、35人のアナリストによる平均目標株価は1株あたり約218ドルで、現行の水準を約6%の割高としている。急成長するAIチャットボットの競合を追い抜くには文化的障害が大きいため、アルファベット株を急いで買う理由は見当たらないと筆者は考えている。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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