ビジネス

2025.09.05 09:00

53%の経営幹部が利用──AIエージェントはリーダーシップと意思決定を変革しつつある

Aleutie / Getty Images

AIリーダーシップ?

平均的なCEOが近いうちに会社の経営権を機械に引き渡すようになると考える者はいないだろう。しかし、リーダーシップや高度な意思決定におけるAIエージェントの活用については、多くの理論的な、そしてますます多くの現実世界でのユースケースが存在する。

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意思決定支援システムとの統合

その最も目に見える例の1つが、意思決定支援システムとの統合だ。このシステムは、必要な情報やガイダンスを提供することで、人間の意思決定能力を拡張するためによく利用される。

例えば、高級品メーカーのLVMH(モエヘネシー・ルイヴィトン)は最近、AIエージェントを活用して兆候を監視・検出し、意思決定者がより迅速に対応できるようにするプラットフォームの構築を発表した。

また、資産運用会社のBlackRock(ブラックロック)は、「Asimov」(アシモフ)と呼ばれる独自のエージェント型プラットフォームを開発した。Asimovは夜通し稼働し、リアルタイムで調査データを収集、市場の動向を監視し、企業の提出書類をスキャンして、朝には経営幹部に実行可能なレポートを提示できる状態にする。

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そして、Citi Group(シティグループ)は、120億ドル(約1兆7800億円)の技術予算の一部をAIエージェントに振り向ける計画について語っている。これは、さまざまなビジネスAIの取り組みを結びつけ、戦略的な監督能力を向上させるために利用できる可能性がある。

マイクロソフトやセールスフォースのようなエンタープライズソフトウェアベンダーは、自社のツールにエージェント機能を組み込み、意思決定者に戦略的なアドバイスを提供したり、独自のAIエージェントを展開したりする動きを強めている。

AIエージェントの可能性

これは、さまざまな業界の経営層の間で採用が進むにつれて、AIエージェントが刺激的な新しい方法で利用されるようになる可能性が高いことを意味する。

例えばヘルスケア分野では、拡大し続けるコネクテッドヘルス基盤の監視・監督にAIエージェントを利用できるだろう。これにより、リーダーは何が価値を生み出し、何が十分に活用されておらず、何が単なるリソースの無駄なのかを理解するのに役立つ。

また製造業では、AIエージェントが生産オペレーション、サプライチェーンの有効性、エネルギー効率を追跡し、戦略的な手を打つ機会を創出することができる。

AIエージェントはまだビジネスの意思決定のハンドルを握ってはいないが、助手席に座り、進路を示したり前方の危険を警告したりする準備が整いつつある。

では、リーダーや意思決定者であるならば、取り残されないためにどのような対策を講じるべきだろうか。

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翻訳=酒匂寛

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