フォルクスワーゲンは、2026年に発売が予定されている新型EV「ID.2」のクロスオーバーSUV版と言える「ID.2X」のコンセプトモデルを発表する。市販バージョンに近いID.2も公開されるかもしれない。小型車「ポロ」クラスのEVとして市場に導入されるID.2は、初期の「ゴルフ」のクラシックな形状を思い起こさせるデザインが特徴で、これまで同社の「MEB」アーキテクチャのEVに見られた奇妙なプロポーションとはついに決別することになる。

このほか、フルモデルチェンジした新型「T-Roc」も展示される。コンパクトクロスオーバーSUVのT-Rocは、欧州では伝統的な人気車種であるゴルフを上回る販売台数を市場で記録している。
そしてルノーは、小型ハッチバック車「クリオ」(日本では「ルーテシア」という名前で販売されてきた)の6代目モデルを発表する。クリオも、欧州での販売台数は通年でライバルのゴルフを上回っている。

バイエルン州に本拠を置くもう1つの自動車メーカー、アウディはミュンヘンで新型の市販車を発表する予定がないものの、9月2日にミラノで一足先に発表された「コンセプトC」を出展する。

この2人乗りのコンセプトカーは、アウディの「新しいデザインフィロソフィーを初めて具現化したモデル」であるという。ジャガー・ランドローバーから移籍してアウディのチーフクリエイティブオフィサーに就任したマッシモ・フラスチェッラは「徹底したシンプルさが私たちのアプローチの核心です。すべてを本質にまで減らすことで、私たちは明快さを実現します」と語っている。
ドイツの自動車会社であるオペルは、かつて米国のGM(ゼネラルモータース)の子会社だったが、今はフィアットやプジョーと共にステランティスの傘下に収まる。同グループ唯一のブランドとして参加する今回のショーでは、小型車「コルサ」の次世代EVを予告するコンセプトカーが公開される予定だ。しかし、これは現実的な解釈とはなりそうもない。

この「コルサ GSE ビジョン グランツーリスモ」と名付けられたコンセプトカーは、レースから着想を得た電動ホットハッチであり、システム全体で最高出力588kW(800馬力)と最大トルク800Nmを発生し、停止状態から100km/hの速度までわずか2.0秒で加速すると謳っている。次世代コルサの市販モデルが登場するよりずっと早く、今年の秋よりプレイステーション用レーシングゲーム「グランツーリスモ7」の中で、誰でも運転できるようになるという。


