昨今、「モーターショーは死んだ、もはや重要なイベントではない」という声が聞かれるが、9月9日からドイツ・ミュンヘンで開催される「IAAモビリティ 2025」(ドイツ国際モーターショー)では、地元の自動車メーカーであるBMW、メルセデス・ベンツ、フォルクスワーゲンが重要なEV(電気自動車)の発表を予定している。
フランスのルノーや多くの中国企業と並んで、BMWは長い間喧伝してきた「ノイエ・クラッセ」(「新しいクラス」という意味)の新型「iX3」を彼らのホームタウンで初公開する(オンラインでは9月5日中央ヨーロッパ夏時間の午前11時〜11時30分、日本時間の5日午後6時 〜 6時30分にライブストリーミングで発表予定)。

新型iX3は、BMWの次世代EVプラットフォームである「ノイエ・クラッセ」アーキテクチャから生まれる最初の量産モデルで、2020年に発表された現行型(G08)iX3の後継となる。この次世代アーキテクチャにおいて、BMWはサスティナビリティ(持続可能性)やリサイクル/アップサイクル素材の広範な使用に全力で取り組んでいる。
だが、ミュンヘン市内の各地で分散開催されるこのモビリティショーで、電動クロスオーバーSUVの新型を発表するのはBMWだけではない。メルセデス・ベンツも「GLC」の新しいEVを披露する予定だ。

クロスオーバーSUVのGLCは現在、「Cクラス」のセダンを抜き、メルセデス・ベンツ全車種で最も売れているモデルとなっている。2022年に登場した現行の2代目モデルに、新たに加わるEV(実質的には2023年に生産終了した「EQC」の後継)は、ミュンヘンのショー会場だけでなく、市場でもBMWのiX3と競合することになる。この新型EVでは、内燃エンジン搭載車のGLCとは異なる「MB.EA」と呼ばれるEV専用プラットフォームを採用し、バッテリーやモーターを作動させる電気システムの電圧も800Vにアップグレードされる。このプラットフォームは、今後登場するCクラス セダンやステーションワゴンのEVモデルにも採用される予定だ。



