近年、生成AIの進化は目覚ましく、私たちの仕事や生活に大きな変革をもたらしています。かくゆう私も「AIに聞いてみたら」や「ほぼAI」といった発言がまちづくりや仕事を進める上で増えていき、効率化や最適化といった領域では、アイディア出しや整理などあらゆる業務で必要不可欠なものとなってきました。
しかし、そんなAI時代だからこそ、地域やまちづくりにおいて、人間が「余白」を生み出すことの重要性が増していると私は考えています。
ここでいう「余白」とは、単なる物理的な空間の余裕だけではありません。それは、楽しさや面白さ、そして人々の感情が交錯する、人間味あふれる「遊び」の部分をさします。極端な言い方をすると、真面目なことはAIに任せ、私たちはまちに楽しさというエッセンスを加えていくべきではないでしょうか。
弊社もそんな想いがあり、「生きるをあそぶ」というコーポレートスローガンを掲げ、人生の全てに余白を届けるサービス、商品を生み出すために、全社員がデザイナーであることを掲げ、日々の仕事に取り組んでいます。
真面目なことはAIに、人間は「面白さ」を追求する
私はこれまで、大阪府八尾市を中心にまちづくりに携わってきました。市役所職員として、そして現在は友安製作所のソーシャルデザイン部担当執行役員として、「みせるばやお」や「FactorISM」といったプロジェクトを推進する中で常に意識してきたのは、いかにまちを面白くするか、そして、いかにワクワクするものにするかという視点です。
例えば、弊社の採用活動は一風変わっています。コロナ禍にインテリア業界の中小企業5社で「型破り2023」を開催したり、「ナイトシューカツ」や「クリスマス・キャリア・パーティー」など、学生と企業が共に楽しめるような企画を毎年仕掛けてきました。
そこには、単に人材を確保するだけでなく、"就活は辛いもの"という学生の固定観念を打ち破り、いろんな社会人と話せるし、自分の知らない仕事に出会えるという楽しさを提供したいという想いがあります。
実際、就活が楽しいと感じる学生も少なくありませんでした。こうした「楽しさ」という余白が、学生の心を惹きつけ、ミスマッチの少ない採用にも繋がっていると実感しています 。
真面目に人材を確保するだけであれば、AIがデータに基づいて最適なマッチングを提案してくれるでしょう。しかし、そこに「楽しさ」という余白を織り込むことで、単なる就職活動を超えた、学生と企業の共創が生まれるのです。




