経済

2025.09.10 09:30

スカート丈、衛星画像、ビッグマックの価格 「経済動向をつかむ」11の代替指標

T. Schneider / Shutterstock.com

5. フォーブス超富裕層生活費指数

何の代わりになる?:消費者物価指数

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フォーブスは1982年以来、各種の超高級商品(Gucci[グッチ]のローファーやキャビア、プライベートジェットなど)の価格を調査している。ビリオネアの状況からインフレ率を推定する試みであり、いわば「Forbes400(米国で最も裕福な400人を保有資産額順にランキングしたリスト)」のための消費者物価指数だ。

このCLEWI(Cost of Living Extremely Well Index)は2024年、4.7%の上昇を示したが、CPI(一般的な消費者物価指数)は2.9%増だった。

CLEWIは、全体的なインフレ傾向を把握することに役立つ可能性がある。あるいは、CPIと比べて上振れする傾向にあるため、スーパーでの買い物額が増えたときに、仕方ないと思うことに役立つかもしれない。

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6. ビッグマック指数

何の代わりになる?:消費者物価指数、食品インフレ率

『エコノミスト』誌が1986年から発表している指標で、購買力の国別比較の簡易な手法として知られている。米国内においてはビッグマックの価格変化から、食品インフレと全体的な物価トレンドを大雑把につかむことができる。消費者物価指数と完璧に一致するわけではないが、市井での物価上昇を察知する手軽な方法だ。

7. オンライン求人指数

何の代わりになる?:求人労働異動調査(JOLTS)

インターネットが登場するまで、Conference Board(全米産業審議会)は、新聞の求人広告数を雇用状況の指標としていた。いまでは同審議会は、オンライン求人広告について同様の発表を行っているが、自分の目で確かめたい人は、Indeed(インディード)、LinkedIn(リンクトイン)、ZipRecruiter(ジップリクルーター。オンライン求人・採用支援サービス)といったサイトで確認できる。

これらは、労働統計局(BLS)の求人データと同じ傾向を示すが、情報源が民間企業であるため、政府統計を信用しない人には有効な代替指標となる。

8. 口紅効果

何の代わりになる?:消費支出、ぜいたく品の小売売上高

景気が悪いと、人々は大きな出費を控えるが、その代わりに小さなぜいたくに散財する。化粧品会社の創業者エスティ・ローダーの長男である、ビリオネアの故レナード・ローダーは、景気後退の際に口紅の売上が伸びることに気づき、この現象を「口紅効果」と名付けた。

化粧品業界の売上データは、ぜいたく品への支出と、消費者心理の代理指標となり得る。トレンドや商品の流行等によって傾向が読みづらくなることもあり、完璧ではないが、消費パターンを読む際には参考になる。

9. 質屋指数

何の代わりになる?:家計債務、消費者信用報告

所有している物を質に入れる人が増えるのは、しばしば経済悪化の兆候だ。The National Pawnbrokers Association(全米質屋協会)は、いくつかの業界データの記録をとっている。また、FirstCash Holdings(ファーストキャッシュ・ホールディングス)やEZCORP(イージーコープ)といった大手質屋チェーンは上場企業であるため、収支報告を読むことができる。

これらの指標からは、家庭の財務的健全性、特に低所得世帯の状況を、間接的に推定することができる。いわば、消費者信用を示す目立たない指標と言っていいだろう。

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翻訳=的場知之/ガリレオ

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