世界各国の政府が、学校での子どもの生活におけるスマートフォンの位置づけを見直している。ブラジルは世界で初めて連邦レベルで学校におけるスマホの利用を禁止した。米国でも35以上の州が制限を打ち出し、韓国なども同じ動きに乗り出している。
この背景には、学力テストの成績低下や授業中の注意散漫などの問題に加えて、若者のメンタルヘルスへのリスクが指摘されている。米国の公衆衛生局長官は、ソーシャルメディアの影響をタバコに例えている。
スマホを1日平均100回以上チェックし、使用をやめられない
しかし、実際にこうした措置は効果があるのだろうか? サイバー心理学の観点では、スマホは単なる受動的なツールではない。常に私たちの思考や感情、人との関わり方を作り替えている。その点を踏まえると、若者を取り巻く状況は憂慮すべきものだ。非営利団体コモン・センスの調査によれば、ティーンエイジャーは平均して1日に100回以上もスマホをチェックしており、使用をやめるのが難しいと感じている。
認知制御を低下させ、作業記憶(ワーキングメモリー)に悪影響
こうした背景を受け、学校でのスマホの禁止措置の多くは、無秩序なデバイスの利用やSNSの通知、テキストメッセージなどの影響を和らげることを狙っている。研究によると、自らのメディアの利用をコントロールできない人々は、衝動を抑える力が弱く、物事に集中できないという。これにより、注意力が低下し、情報を一時的に保持しながら、同時に処理する脳の機能の作業記憶(ワーキングメモリー)が損なわれるという。



