宇宙

2025.09.02 13:00

明け方に惑星がきらめき、皆既月食の「ブラッドムーン」が赤く輝く 今週の夜空

2022年5月15~16日に北米で撮影された皆既月食の「ブラッドムーン」(Shutterstock.com)

2022年5月15~16日に北米で撮影された皆既月食の「ブラッドムーン」(Shutterstock.com)

今月は夜明け前の空で美しい散開星団と明けの明星が寄り添う光景で始まり、1週間の終わりには「コーンムーン」の満月が魅せる皆既月食が待ち構えている。金星と木星が明け方の空を彩り、秋の星座が季節の移り変わりを告げる。9月第1週の夜空の見どころを紹介しよう。

9月3日(水):プレセペ星団と惑星

日の出の約1時間半~1時間前、東北東~東の低空を見ると、明けの明星として輝く金星のすぐ上に、かに座のプレセペ星団(M44)がきらめいている。右上方には木星も光っている。日の出の約30分前には地平線間際に水星も顔を出すが、位置が太陽に近いため見つけるのは難しいだろう。英語で「蜂の巣(ビーハイブ)」の名を冠するプレセペ星団は、双眼鏡で覗くと繊細な星々の集まりを観察できる。

2025年9月3日、日の出約90分前(東京:午前3時45分ごろ)の東の空(Stellarium)
2025年9月3日、日の出約90分前(東京:午前3時45分ごろ)の東の空(Stellarium)

9月4日(木):火星とスピカ

日没後間もない西南西の低空で、青白いおとめ座の1等星スピカの右隣に赤い火星が並ぶ。火星は来年1月に太陽をはさんで地球との距離が最も離れる「合(ごう)」を控えているため、今はかなり暗くなっている。次に火星がピークの輝きを取り戻すのは、2027年2月に地球から見て太陽と正反対の位置にくる「衝(しょう)」の時まで待たなければならない。

2025年9月4日、日の入り約40分後(東京:午後6時45分ごろ)の西の空(Stellarium)
2025年9月4日、日の入り約40分後(東京:午後6時45分ごろ)の西の空(Stellarium)

9月7日(日)~8日(月):「コーンムーン」の満月と皆既月食

9月の満月は、沈む太陽と入れ違いに姿を現し、高く昇る前に金色に輝く。米先住民の農事暦では「コーンムーン(トウモロコシ月)」と呼ばれる。9月の満月の名称としては「ハーベストムーン(収穫月)」がよく知られているが、これは秋分の日に最も近い満月を指し、今年は10月になる。

日本全国とアジア、オーストラリア、太平洋の一部では皆既月食が見られる。満月は日付の変わった8日午前1時27分に欠け始め、2時30分頃から皆既食となる。月面が赤く染まる「ブラッドムーン(血色の月)」を観賞しよう。

国立天文台
国立天文台

forbes.com原文

翻訳・編集=荻原藤緒

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