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2025.09.24 16:00

共創が生んだ世界最小0.03mmの針糸が紡ぐ未来医療――河野製作所とみずほ銀行がめざす医療の新境地

中堅・中小企業の成長を、力強いサポートで後押しするみずほ銀行。約45年前から支援を続けるのが、微細加工技術を生かした医療機器の開発を行う河野製作所だ。

医療の進歩に大きく貢献してきた河野製作所が新たな目標に向かって走り出した今、みずほ銀行は支援の幅をさらに広げている。


手渡された名刺には、拡大された黒ゴマが描かれていた。その横には、同じ倍率で転写された“手術用針糸”。黒ゴマの先端を削り取った程の大きさで、髪の毛よりも細い。

黒ゴマと比較した際の河野製作所の手術用針糸。微細さがよくわかる(提供:河野製作所)
黒ゴマと比較した際の河野製作所の手術用針糸。微細さがよくわかる(提供:河野製作所)

「“直径0.03mm、世界最小の微細針糸”と聞いても、なかなかイメージが湧きませんよね。こうやって黒ゴマと比較すると少しでも伝わるかなと思って」と、河野製作所 代表取締役社長 河野淳一(以下、河野)は笑う。

河野製作所は、マイクロサージャリー(手術顕微鏡を使い、血管や神経を縫合する外科手術)分野で使われる微細針糸のパイオニアメーカーだ。原点は1949年、河野の祖父が立ち上げた時計針の製造会社だが、64年に医療用針糸の製造を請け負ったことを機に、医療機器メーカーへと転身。以降は、微細加工技術を生かした医療機器の開発・製造販売を主事業として成長してきた。先に述べた“直径0.03mm、世界最小の微細針糸”は、同社が2004年に発売した代表製品である。

「ある医師から強い要望を受け、共同開発しました。実はそれまでの医療では、血管径0.5mm以下の吻合手術は不可能だったのですが、この世界最小の微細針糸の登場により、血管径0.1mmでも吻合が可能になりました。例えば、移植手術では15㎝も切開しなければならなかったのが1㎝ほどで済むようになり、従来は難しかった小児の指切断の縫合手術や希少疾病の手術が行えるようになりました。ガンの術後の後遺症として起こる『リンパ浮腫』の治療も行えるようになり、医療現場の発展に大きく寄与しています」(河野)

ここ数年は、特に海外の医師からの反響が大きく、引き合いが急増。すでにアメリカ、中国、タイ、イスラエル、シンガポールなどに展開しているが、今後は販売に必要な許認可を取得次第、ヨーロッパ、インドにも本格展開していくという。

河野淳一 河野製作所 代表取締役社長
河野淳一 河野製作所 代表取締役社長

ニーズ発掘から製品開発まで一気通貫で行う

微細針糸のみならず、外科手術に必要な素材や医療機器を多く開発してきた同社。医師からの信頼は厚く、「よくやってくれた」「河野製作所のおかげでこの手術が行える」「学会で発表して手術を広められるようになった」といった声が寄せられている。河野は、業界におけるポジショニングと開発方針について、こう説明する。

「医師の切実なニーズを拾い上げ、大手や外資メーカーがまだ見向きもしない新しい市場、あるいはカバーしきれない小さな市場を探し出します。そして、綿密な医工連携のもとで高付加価値の製品を開発する。ニッチな市場ですが、製品を必要とする医療現場が必ずあり、国内外へ広く届けることで高い収益性を維持できています。市場の大小に関わらず、患者さまや医療業界に貢献できる製品、当社の技術向上につながる製品を、どんどん開発していきたいですね」

同社が掲げる経営ビジョンは、「年に2つ以上の世界オンリーワン・ナンバーワン新製品を上市すること」。1964年当時から開発の全工程を内製して培ってきた技術力がこれを可能にする。

「そもそも開発に必要な工具や製造装置、検査機器などが世の中になかったので、自社でゼロからつくりました。今も開発から試作、量産までを一貫して自社工場で行っています。外注すれば莫大なコストと工数がかかるため採算が合いませんし、機会損失になる。医師の方々からの非常に細かい要望に応えながら、スピーディーに製品開発を行える――これが当社の何よりの強みです」

河野は、この“生粋の開発マインド”を社員一人ひとりに根付かせたいと、2018年頃から「7:3カルチャー」をスタートさせた。社員は業務時間の7割は従来業務を行い、残り3割で新規事業プロジェクトに挑戦するという。営業や経理など部署の垣根を超えたチーム構成で、若手からベテランまで一緒になって新製品・新技術の開発を行っている。

「プロジェクトでは、ゼロからニーズとシーズ(自社技術)を結び付けて、世の中に出していくまでを経験してもらいます。時間がかかりますが、社員全員にものづくりの意識をもってもらう人材育成のために必要な取り組みです。部署横断型のチーム構成は、互いの従来業務の理解を深め、交流を活性化させる効果もあります」(河野)

事業拡大で必要とされるみずほ銀行の戦略的支援

医師のニーズに向き合い、開発に邁進してきた同社を、みずほ銀行は80年頃から支え続けてきた。

河野は、「当社の事業承継や、財務戦略上、経営戦略上で全面的にバックアップをしてもらってきました」と長年のつながりを振り返る。

みずほ銀行に入行以来、営業畑を長く歩み、さまざまな業種の中堅・中小企業を担当してきた船橋法人部 部長の河崎 健(以下、河崎)は、「前任者から引き継いだ際、世の中にはこんなに素晴らしい会社があるのかと驚きました」と話す。河野製作所を担当して約1年半が経った今は、次のような認識を深めている。

「寄せられる医師からの要望に対し、高い技術力で応えているのは確かですが、厳密に言うとそれだけではありません。自ら働きかける、イノベーションを起こすことにも全力を尽くされていて、決して“待ち”の姿勢ではありません。『技術力』と『ビジネス創出力』の両輪でまわっている会社という印象が強くあります」(河崎)

河崎 健 みずほ銀行 船橋法人部 部長
河崎 健 みずほ銀行 船橋法人部 部長

河崎がそう話す背景には、河野製作所グループが2024年8月に東京・表参道に移転設立した「CJKメディカルラボ」の存在がある。延べ面積約180㎡の3階建てで、1階はカフェ、2階は社内外へ開かれた多目的スペース、3階はゴルフシュミレーターが設置される建物だ。

河野製作所は、この場所で国内外のさまざまな診療科の医師・関係者らとつながることで、コミュニケーションの活性化、オープンイノベーションの創出を目指している。新たに始めたヘルスケア事業を大きくドライブさせるきっかけにもなるだろう。同社は今、手術後の傷跡や内出血、腫れに塗るダウンタイムクリームなど、“医薬と化粧品の中間地帯”にあるニーズを捉えた新製品で事業の裾野を広げている最中だ。

河崎とともに、同社を担当する船橋法人部 渉外2課 鹿島友里花(以下、鹿島)は、「茨城にあるつくば工場を見学して、社員の方々のものづくりへの強い熱意を感じた」と話し、河野製作所の新たな挑戦に全力でサポートする意欲を見せる。

「最近は、開発を後押しするようなエコ素材のメーカーをおつなぎしました。今後も、みずほ銀行のもつネットワークやスタートアップ支援事業などで得た知見やつながりを最大限に生かしたビジネスマッチングのご提案を積極的に行っていきたいです。ほかに、ヘルスケア業界に関する情報提供、河野製作所のことを世間に広めていくお手伝いなど、あらゆる角度から支援を考えています」

鹿島友里花 みずほ銀行 船橋法人部 渉外2課
鹿島友里花 みずほ銀行 船橋法人部 渉外2課

河崎もこう続ける。

「これまでの河野製作所は、“不可能だった手術を可能にする”で医療に貢献されていましたが、これからはそこに“術後のケア”という視点も加わります。救われる人がさらに増え、河野製作所の存在意義はますます大きくなるでしょう。事業を強く後押しできるように我々もより一層のサポートを行っていきます」

河野は、みずほ銀行への期待をこう語った。

「手術や治療後のケア製品含め、これからは人々の健康寿命をのばすための製品を開発して社会に貢献していきたい。そのためには市場調査や他社との連携などマーケティングを含めた事業戦略が必要になります。当社にはまだノウハウがない点も多いので、みずほ銀行の力強い支援を期待しています」

「健康寿命をのばす」という大きな目標に向かって走り出した河野製作所。みずほ銀行はその成長を支える戦略パートナーとしてこれからも伴走を続けていく。

河野製作所

みずほ銀行


こうのじゅんいち◎1963年、千葉県出身。青山学院大学経営学部経営学科卒業。千代田火災海上保険株式会社勤務を経て、91年河野製作所入社。1998年に河野製作所代表取締役に就任。99年、クラウンジュン・コウノ代表取締役就任。

かわさきたけし◎みずほ銀行 船橋法人部 部長。東京・大阪・地方拠点にて、中小企業から大企業まで幅広い法人営業や本部にて営業店支援業務に従事し、2024年より現職。船橋法人部では「事業面から入る提案活動」をモットーに、〈みずほ〉ならではの価値提供を実践し、取引先の課題解決に取り組む。

かしまゆりか◎みずほ銀行 船橋法人部 入行3年目。中堅・中小企業のお客さまを、幅広い業種で担当。アフリカ・アジアでの様々な文化に触れた経験で培った、柔軟な視野を活かす。銀行員としての経験は浅いものの、お客さまに寄り添い、ともに成長していくことを信条とし、その活動が社会とお客さまの成長に繋がるよう、誠実に業務に取り組む。

Promoted by みずほ銀行 / text by Rie Suzuki / photographs by Masahiro Miki / edited by Akio Takashiro