北米

2025.09.02 11:00

関税不安かき消す「AI楽観論」 金とサーバーの輸入で読むトランプ2.0半年の米経済

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恩恵に浴する台湾企業

ストーリーの新たなピースを埋めるのが台湾だ。AIをめぐる熱狂と巨額投資で利益を得ている企業の一部は台湾にある。米国のコンピューターカテゴリーの輸入で、台湾のシェアは2024年には18.57%とメキシコ、中国に次ぐ3位だったが、今年6月には35.19%に高まり、1位に浮上した。2位以下はメキシコ、ベトナム、タイ、中国と続いている。

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こうした輸出によって台湾は、米国の6月の貿易額の国・地域別順位で過去最高の4位に躍進した。台湾に関しては、さらに目を見張るデータが3つほどある。

・航空貨物の金額では米国の貿易相手国・地域のなかで1位だった
6月の対米貿易額の前年同月比の増加幅(74億2000万ドル)も、米国のほかのどの貿易相手国・地域よりも大きかった
・対米貿易の成長率(53.85%)は米国の上位50の貿易相手国・地域(貿易額の95.45%を占める)中、2番目の高い伸びだった

恩恵を受けている台湾企業の一社は富士康科技集団(フォックスコン)だ。フォックスコンは米アップルの驚異的な成長に乗って発展してきたが、現在の売上高の内訳を見るとiPhoneの受託生産事業よりもサーバー事業が上回っている。AIブームに棹さす台湾企業はほかにも何社かあるが、フォックスコンは再び大きな機会をつかみ、世界のAIサーバー市場で40%のシェアを握っている。

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今年1月から6月までに世界全体のサーバー輸入額が135.40%増えたのに対して、米国による台湾からのサーバー輸入額は583.27%伸びた。シカゴ・オヘア国際空港のサーバー輸入額は994.05%増、ロサンゼルス国際空港は804.30%増を記録し、両空港で米国のサーバー輸入額全体の51.24%を占めている。ダラス・フォートワース国際空港でも、6月に台湾からのサーバー輸入額が1月との比較で104.70%増えており、これは主にテキサス州のサーバーファーム市場向けとみられる。

モノの貿易データからは、人々の関心を引きつける2つの相反する力のストーリーが読み取れる。ひとつは、不確実性が高い時期に安心・安全を提供してくれる金。もうひとつは、AI時代の幕開けに際して将来性を約束するコンピューターサーバーだ。このストーリーはいまも紡がれ続けており、結末はまだ書かれていない。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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