シャッター商店街からアートと建築の街へ 「前橋国際芸術祭」が描く地域再生

前橋国際芸術祭 2026

芸術祭の総合プロデューサーを務める田中は、「芸術祭では、縦横500mの中心市街地全体を舞台に、建築やアート、食を楽しんでいただきたい。すでに進行中のプロジェクトも含め、これから多くの出来事が前橋で生まれるはずです。この芸術祭がその起点となり、未来に向けて街の物語を広げていく節目になる。ぜひ前橋に注目していただければと思います」との展望を語った。

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(C)tatsuki nakata
宮本武典氏(C)tatsuki nakata

東京藝術大学准教授でアーツ前橋チーフキュレーターを務めるプログラムディレクター・宮本武典は、2031年の竣工を目指す藤本壮介と平田晃久による再開発プロジェクトを「最大のマイルストーン」としたうえで、「この芸術祭の特徴は、建築とアートが融合した風景を体感できること。再開発の竣工までを見据え、ハードだけでなく、二年周期の芸術祭を通じてソフトパワーも育てていきます」と意気込む。

アーティストと市民がつくる街の新しい風景

芸術祭を彩るアーティストの一部と公式アンバサダーも発表された。音楽家・渋谷慶一郎はアーケード商店街を舞台に生成型サウンドインスタレーション『Abstract Music』を展開し、「目に見えるアートや建築だけでなく、街に漂っている音楽の重要性」を問う。

映画作家・ダンサーの吉開菜央は赤城山から吹き下ろす強風、からっ風をテーマに、目に見えない自然現象と身体の関係を描く短編映画を制作。建築家・山田紗子はアーケードの一角にギャラリーやオフィスを集めた複合施設を設計し、人々の能動性を引き出す建築を提示する予定だ。

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和田彩花氏(C)tatsuki nakata

公式アンバサダーには群馬出身の和田彩花氏が就任。「インタビューなどを通じて群馬にゆかりのある作家さんと新しい出会いを作りたい」と語り、芸術祭を広く発信する役割を担う。

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記者発表会を通じて明らかになったのは、前橋国際芸術祭が単なるアートイベントではなく、街がアートと建築によって変化し続ける、そのプロセスそのものを世界に向けて示す“地域再生の物語”であるということだ。民間が芽吹かせた種に行政が水を注ぎ、アーティストが光を当てる。その循環が新たな都市の風景を育んでいく。芽吹きから若木へ、そして森へ。2026年秋、前橋の街から世界に向けて発信される物語に期待したい。

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