経営・戦略

2025.09.08 07:15

外国人材の真実 いちばんの心配は差別と偏見

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外国人労働者への依存度が非常に高くなっている日本で、特定技能生や技能実習生として日本にやってくる海外の若者は、日本で働くことをどう思っているのか。職場の環境に馴染んで長く働いてほしい企業側としては、気になるところだ。

バイリンガルに特化した就職・転職の求人広告事業などを展開するヒューマングローバルタレントは、インドネシアの平均年齢22.7歳の特定技能生(59人)と技能実習生(411人)を対象に、日本での就労に関する意識調査を行った。

ちなみに、技能実習生は日本で学んだ技能を母国で活かす研修が目的であるのに対して、特定技能生は高度な技術を養って日本社会で活躍してもらうことが目的だ。どちらも在留期間は基本的には最長5年だが、特定技能生は在留カードの更新で滞在期間を延ばすことができる。とくに特定技能2号の資格を取得すれば家族と永住も可能となる。

日本で働きたい理由。上は技能実習生、下は特定技能生。
日本で働きたい理由。上は技能実習生、下は特定技能生。

調査でわかったのは、どちらも日本で働きたい理由のトップはキャリアやスキルの向上であることだ。そもそも滞在条件の違いもあるが、特定技能生は日本での安定した生活を望んでいるのに対して、技能実習生は日本の文化や日本社会への適応よりも、たくさん稼いで国に帰ることを重視しているように見える。またどちらも、日本で5年以上働きたい人がもっとも多い。技能実習生も、今の年限では足りないということだろう。

日本で働きたい期間。左は技能実習生、右は特定技能生。
日本で働きたい期間。上は技能実習生、下は特定技能生。

希望する残業時間を聞くと、技能実習生は40時間以上を望む人が多い。決められた期間で目一杯働いてお金を稼いで帰りたいという意欲がうかがえる。

希望する残業時間。左は技能実習生、右は特定技能生。
希望する残業時間。上は技能実習生、下は特定技能生。
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文 = 金井哲夫

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