経済

2025.09.05 07:15

ふるさと納税は「リピート消費」へ移行 成功する返礼品戦略

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地域を応援しながら、特産品などを楽しめるふるさと納税。これまで、度重なる制度改革が行われ、2025年10月からはポイント付与制度が全面的に廃止されるなど、昔ほどのメリット感は薄れているものの、活用している人は少なくない。

そんなふるさと納税について、スマートマネーライフが全国の20歳以上の男女を対象に調査。繰り返し同じ自治体や返礼品に寄付している人たちの実態が明らかになった。

まず、ふるさと納税を利用したことのある人は、約4割を占めており、そのうち3年以上利用している人は約7割に上った。利用するのは面倒だとためらっている人も多いが、一度利用するとリピーターになるケースが多いことがうかがえる。

2年以上ふるさと納税を利用した人で、同じ自治体や返礼品を繰り返し利用したことがある人は約7割にも及んだ。返礼品として選ばれているのは、「海産物」がトップ。次いで「肉」「米」の順で、飲食系の返礼品を選ぶ人が圧倒的に多いことがわかった。

具体的にどの自治体のどういう返礼品をリピートしているかというと、1位は「北海道紋別市」「宮崎県都城市」で、3位に「大阪府泉佐野市」がランクインした。いずれも魚介類、肉、米といった人気返礼品が充実している自治体だ。繰り返し選んだ理由としては、「品質や味に満足した」がトップ。「価格と内容量のバランスが良かった」「冷凍・長期保存できるため便利」という理由が続いている。「味と品質の確かさ」に加えて「お得さや利便性」も判断して、総合的に満足のいく自治体・返礼品が繰り返し選ばれているようだ。

魚介類で人気の高いリピート品は、「ホタテ」「うなぎ」だった。特に北海道のホタテは冷凍で長期保存も可能なことから人気が高い。

肉類では、牛肉が半数を占めた。ボリューム感と質の高さ、小分けになっていて使いやすいところが選ばれるポイントのよう。

米は、「コシヒカリ」が圧倒的に人気だ、魚沼産はもちろん、岡山や岐阜など、品質の良さと安心感が高い自治体の米がリピートされている。

政府は、返礼品競争にならないようこれまで何度も制度改革を行ってきたが、納税してくれるかどうかは、やはり返礼品次第だ。自治体にとっては、リピーターになってもらって税収を確保することが理想である。自治体の担当者は、こうした利用者の声を参考に、返礼品を考える必要に迫られている。

出典:スマートマネーライフ「ふるさと納税の利用に関する調査」より

文=飯島範久

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