2. 海藻に擬態するウィーディーシードラゴン
ウィーディーシードラゴン(学名:Phyllopteryx taeniolatus)、別名コモンシードラゴンは、西オーストラリア州からニューサウスウェールズ州、タスマニアに至る、オーストラリア南部の沿岸に生息している。
海藻が森のように生えている水深最大50メートルほどの場所で暮らしており、海藻の葉のように見える付属肢と、鮮やかな体の色を生かして、海藻の中にうまく紛れ込んで身を隠している。
生理学的に見ると、ウィーディーシードラゴンは歯と胃をもたず、長いチューブ状の鼻からえさを吸い込んでいる。捕食するのは小さな甲殻類、主にアミやウオジラミの仲間、稚魚だ。消化が速いため、せっせとえさを食べていることが多い。
背びれと胸びれをわずかに動かしながら、一カ所にとどまったり、滑るように移動したりして、周りへの影響を最小限に抑え、捕食者に気づかれないようにしている。
英国の動物学者デイビッド・アッテンボローはしばしば、お気に入りの生き物の一種としてウィーディーシードラゴンを挙げる。「海藻のような姿に進化し、1日中踊っている」様子に魅せられるのだという。
アッテンボローは、数々のインタビューや保護活動の際に、ウィーディーシードラゴンがいかに美しく、その脆弱な生息地を保護することがどれほど重要であるかを訴えてきた。
というのも、遺伝子的研究によって、ウィーディーシードラゴンは全体的な遺伝的多様性が低いことと、最終氷期極大期に起きた歴史的な海面変動の影響で形成された独特の集団として存在していることがわかったからだ。つまり、ウィーディーシードラゴンは環境の変化に対して脆弱なのだ。


