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2025.08.31 09:00

テニス界のレジェンド、フェデラーがビリオネアに アスリートとしては史上7人目

PROMA1 / Shutterstock.com

「人柄のよさと好感度を兼ね備えていることが大きい」と話すのは、米ジョージ・ワシントン大学スポーツマネジメント課程ディレクターのリサ・デルピー・ネイロッティだ。「試合で優れた才能を発揮するアスリートの全員が、万人に好かれるわけではない。フェデラーは気さくで、容姿端麗で、礼儀正しく、洗練されている。スポンサーブランドにもそのイメージが反映されている」

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フェデラーは20年にわたってNike(ナイキ)と契約を結び、受け取ったスポンサー料はおよそ1億5000万ドル(約220億円)に上った。2018年にその契約が終了すると、自らの魅力を生かして、次はユニクロと契約を結んだ。報道によれば、その額は10年で3億ドル(当時で約333億円)だという。

ただし、ユニクロがテニスシューズを製造していないため、ナイキが独占していたようなシューズ・カテゴリーのスポンサー契約がオープンになったことで、フェデラーは、スイス・チューリッヒに拠点を置くシューズブランド「On」とのさらに有利な契約のチャンスを手にできるようになった。

フェデラーがOnというブランドを知ったのは、妻のミルカが同社製スニーカーを履き始めたときだった。フェデラーはすぐに、Onの創業者ディビット・アレマン、オリヴィエ・ベルンハルド、キャスパー・コペッティに働きかけ、2019年にこの前途有望なOnに出資することとなった。当時のOnの中心事業はランニングシューズだった。

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フェデラーは、経営に参加しない単なる投資家という立場に飽き足らず、テニスコート用のシューズとライフスタイルアパレルの商品開発を手助けすることにした。この挑戦はわずか2年で報われ、Onは2021年、ニューヨーク証券取引所に上場した。

同社の現在の株価は、新規株式公開(IPO)時点から86%上昇しており、時価総額はおよそ150億ドル(約2兆2050億円)だ。フェデラーの持ち分は推定でおよそ3%なので、フェデラーの持ち分の価値は3億7500万ドル(約550億円)を超えている。

「ロジャーのおかげで成長が加速した」。最高経営責任者(CEO)を務めていたマーク・マウラーは2023年、そう語った。「私たちは基本的に、新たなチャンスを求めていた。そして、テニスが次なるスポーツだと確信していた。とても幸運なことに、ロジャーが共にその挑戦に挑んでくれた」

フェデラーは、ほかにも投資で見事な成果を上げている。2013年には、自身のエージェントを長年務めているトニー・ゴッドシックと、マネジメント会社「Team8」を共同創業し、その4年後にテニスの団体戦「レーバーカップ」を創設した。

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翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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