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2025.08.29 10:00

打倒テスラ掲げる中国のロボット企業「星海図」、評価額1000億円の野望

2025年2月、中国・上海で開催された「2025グローバル開発者会議」に登場したGalaxea AIのロボット(Photo by VCG/VCG via Getty Images)

創業チームの経歴と組織体制

許は、北京の清華大学で助教としてロボット工学とAIを教えながら、自身のスタートアップの経営にも時間を割いている。「彼は、この分野のトップ科学者の一人と見なされている」と語るのは、美団傘下の投資会社Long-Z Investmentsのパートナーのショーン・ワンだ。

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星海図の4人の創業メンバーたちは、同社でそれぞれの役割を担っている。許ともう一人の共同科学責任者で34歳の趙行(ジャオ・ハン)は、北京でAIモデルの開発やヒューマノイドの訓練を担当している。一方、33歳のCEOの高繼揚(ガオ・ジヤン)は、31歳の最高執行責任者(COO)の李天威(リ・ティエンウェイ)とともに蘇州の工場で生産を統括し、商業化を推進している。

許によれば、星海図の従業員数は現在120人。年内に200人に拡大する計画だ。同社CEOの高は、以前に米ウェイモや中国の北京初速度科技(モメンタ)など自動運転企業でAIソフトエンジニアとして働いた経験を持つ人物で、ある日、会社を立ち上げるアイデアを彼に持ちかけたという。許はその時、AIの急速な進歩を背景に「今がその時だ」と感じたと語る。

2人が最初に出会ったのは、清華大学で電気工学を学んでいた学部生時代で、高は許の1年先輩だった。中国東北部の工業都市・長春で育った許は、カリフォルニア大学バークレー校でAI研究の博士号を取得した後に、スタンフォード大学で1年間、博士研究員を務め、コンピュータービジョン関連技術を研究した。そして、2022年に清華大学の教職を得て帰国し、翌年、高とともに星海図を設立した

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競合Unitree Roboticsとの比較

一方、同社の国内における最大の競合の1つが、評価額が17億ドル(約2482億円)のヒューマノイドメーカー、宇樹科技(ユニツリー・ロボティクス)だ。杭州に拠点を置く同社は最近、音声や画像認識機能を備えつつも5900ドル(約86万円)という手頃な価格のヒューマノイドで注目を集めた。許は、今後は星海図のロボットも、製造台数の拡大によってコストが下がり、将来的には一般消費者が購入可能なものになると見込んでいる。

彼は、現在の中国にはヒューマノイド企業が多すぎると考えており、今後3〜5年で淘汰の波が訪れると予測している。「バブルがはじけた後に残るのは、本当に機能するヒューマノイドだけだ」と彼は語った。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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