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2025.08.29 10:00

打倒テスラ掲げる中国のロボット企業「星海図」、評価額1000億円の野望

2025年2月、中国・上海で開催された「2025グローバル開発者会議」に登場したGalaxea AIのロボット(Photo by VCG/VCG via Getty Images)

家庭利用を視野に入れた将来像

許はさらに、自社のロボットが、工場のみならず、人々の自宅でも10年以内に利用されはじめることに自信を示している。同社のロボットは、料理や掃除、ベッドメイキングなどの家事での活用も視野に入れている。投資家もこのビジョンに賭けており、星海図は7月に実施したシリーズAラウンドで、1億ドル(約146億円)以上を評価額7億ドル(約1022億円)で調達した。このラウンドには、香港のキャピタル・トゥデイや中国のフィンテック企業アント・グループ、出前アプリ大手「美団」の投資部門Long-Z Investmentsらが参加した。

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許によれば、星海図は来年、初の二足歩行型ヒューマノイドを発表する計画で、評価額10億ドル(約1460億円)を目標とする新たな資金調達に向けた準備を進めている。

同社が昨年末から販売を開始した人間と等身大の両腕タイプのR1の価格は、32万元から45万9900元(約640万円~約920万円)。2本の爪を持つグリッパーの代わりに5指のロボットハンドを搭載するといったオプションに応じて価格は変動する。星海図は、このロボットを年内に最大1000台出荷する計画で、その半分は中国国内、残りは米国を含む海外市場向けという。許は米国を「国際展開における重要市場」と位置づけている。

世界市場の規模予測と競合の動き

この出荷目標は控えめに思えるかもしれないが、許は大きな未来を描いている。UBS証券の上海拠点のアナリストのフィリス・ワンによれば、今年の出荷は1万5000台にとどまるが、世界のヒューマノイドの台数は、2035年までに200万台に達する見通しという。そして、2050年には3億台にまで急増し、ヒューマノイドの部品やソフトを含めた市場規模は最大1.7兆ドル(約248兆円)に達する見通しだと、彼女は7月のリサーチノートで述べていた。

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そして、この市場をめぐる競争の中で、星海図は国内外のライバルとの正面衝突を避けられない。その1つがテスラの人型ロボットの「オプティマス」だ。イーロン・マスクは7月のX(旧ツイッター)の投稿で、来年からこのロボットが、ロサンゼルスにあるテスラの未来的なドライブイン・ダイナーで料理を運ぶようになると述べていた。4月の投資家との電話会議では、「この市場でナンバーワンになるのはオプティマスだ」と強調しつつも、「2位から10位までは中国企業になるだろう」と懸念を口にしていた。

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編集=上田裕資

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