世界で最も時価総額が高い企業であるエヌビディアは、米国時間8月27日に第2四半期(Q2)決算を発表し、市場予想を上回る内容を報告した。投資家は、中国市場での課題に同社がどう対応したかの手掛かりを探っている。
エヌビディアのQ2決算における売上高は467億ドル(約6兆8800億円)となり、四半期としては過去最高だった前四半期の売上高441億ドル(約6兆5000億円)を超えた。さらに、金融情報を提供するFactSetがまとめた市場予想の460億5000万ドル(約6兆7800億円)も上回っている。
エヌビディアの売上高の大部分は、411億ドル(約6兆500億円)近いデータセンター部門によるものだ。モルガン・スタンレーのアナリストであるジョセフ・ムーアは25日のリポートで、この分野が今後1年間のエヌビディア事業を牽引すると述べていたが、こちらは市場予想の413億ドル(約6兆800億円)にわずかに届かなかった。
同社の調整後1株あたりの純利益(EPS)は1.05ドル、純利益は257億8000万ドル(約3兆8000億円)で、市場予想であるEPS1.01ドル、純利益247億ドル(約3兆6400億円)をそれぞれ上回った。
エヌビディアの売上高と利益はいずれも前年同期比で増加しており、売上高は6%増、利益は42%増となった。前年同期の売上高は300億ドル(約4兆4200億円)、EPSは0.67ドルだった。
エヌビディア株は、決算発表後の時間外取引で一時4%下落した。同社株は今月初めに日中最高値となる184.12ドルをつけており、27日の市場終了前には181ドル前後で取引されていた。
エヌビディアは米国東部時間午後5時に投資家向け決算説明会を開催する予定だ。一部のアナリストは、ジェンスン・フアンCEOが、中国政府が安全保障上の懸念から国内企業に同社の中国向け半導体「H20」を購入しないよう圧力をかけ、エヌビディアが生産を停止したと報じられている件について説明することを期待している。モルガン・スタンレーは、この問題は「長期的に解決すべき重要課題である」としつつも、「両国が米国製ハードウェアへのアクセスを可能にするインセンティブを持つため、解決に向かう可能性が高い」と述べた。
証券会社ローゼンブラット・セキュリティーズのアナリストであるケビン・キャシディは、エヌビディアが中国向けの代替品を導入すると見込んでおり、それは「より高い価格設定と利益率を実現し、より競争力のある解決策となる可能性がある」と記した。
証券会社ウェドブッシュ・セキュリティーズは27日に発表したノートの中で、エヌビディアは「今後数年間にわたってAI革命の未来を定義する」30社のひとつになると述べた。同社は、エヌビディアや他のAI企業が「株式市場バブル」の犠牲になるという懸念を退け、「AIが生産性と経済成長を牽引する可能性は、過去の技術のそれをはるかに凌駕する」と強調した。



