30U30

2025.09.08 11:15

キュレーター金 秋雨が模索する「新たな展覧会」のかたち:30UNDER30

金 秋雨|キュレーター、研究者

金 秋雨|キュレーター、研究者

2025年8月25日発売のForbes JAPAN10月号は「30 UNDER 30」特集。30歳未満の次世代をけん引する若い才能に光を当てるアワードで『Forbes JAPAN』では18年より開催し、7年間で総計300人を選出してきた。今年も4つのカテゴリから30人の受賞者を選出。

ART & STYLE部門で選出されたのは、キュレーター/研究者の金 秋雨。上海で生まれ、日本やドイツで学び、多様な視点を受け入れていく彼女は、新たな展覧会の形を模索する。


「急速に変化する社会で、長い期間をかけて企画をする展覧会で“現代美術”を扱えるのか。キュレーションを拡張していく必要があると感じています」

そう話すのは、若手キュレーターの筆頭株、金秋雨(キン・シュウウ)。

2010年代、万博やビエンナーレ、美術館の勃興で盛り上がる上海で、博物館とは違う「博覧会」や「展覧会」の面白さに目覚めた彼女は、高校から日本に留学し、ドイツや東京藝術大学での学びを経て、21年に台湾のキュレーターと「non-syntax」というプラットフォームを設立。同名義での個展のほか、直近では約20組のアーティストが参加した「ゴジラ・THE・アート展」を手がけるなど、活躍の幅を広げている。

キュレーターと表裏一体である研究者としては、“鑑賞者研究”をテーマに掲げる。展覧会をつくって終わりでなく、会期中の観察やインタビューにより、鑑賞者がより自分ごととしやすいかたちを模索。その過程で「西洋から発生した現在の展覧会に対し、アジアで小さな枠組みから新しい動きをつくりたい」という思いも強くなった。とはいえ、何かを確立させたいというより、国境や業種も超えて対話を重ね、将来否定されるこ とも織り込みながらアクションを起こしていくという柔軟な姿勢だ。

フラットかつしなやかに多様性に向き合い、「いいところを見て、知らないことを知り、それをつなげていくのが楽しい」と金。楽天的な性質と、独・中・日・英語の4カ国語話者という強みも生かしながら、アジアと世界をつないでいく。

世界を変えうる30歳未満にフォーカスする企画「Forbes JAPAN 30 UNDER 30」、8年目となる今年は30人を選出。これからの未来をつくる彼ら・彼女らが描く「希望」と「新しい未来」へ、ようこそ!

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キン・シュウウ◎キュレーター、研究者。「non-syntax」主宰。1995年、上海生まれ。東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科修了。主なキュレーションとして「Not In This Image」展(關渡美術館,台北)、「ゴジラ・THE・アート展」(森アーツセンターギャラリー)など。

文=鈴木奈央 写真=帆足宗洋(AVGVST) スタイリング=鹿野巧真 ヘアメイク=MIKAMI YASUHIRO

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「30 UNDER 30」2025

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