それから「20代から売れてるやつは強い」って本気で思います。世界を変えたり、何かを変革したりするのって、だいたい20代で頭角を現した人たちな気がする。感度が高くて、軽やかな人たち。私が20代のときは、当時は当時でご機嫌にやってはいたけど(笑)、もっと早く売れたかったな。柔軟で高い感度をもってたら……。ただ、今の私があのころに戻ったとしても、結局同じことしかできひんやろうな。
私はずっと、カウンターカルチャー的な存在でありたいと思っていました。でも年を重ねるうちに、自分のなかに「スタンダードをつくりたい」っていう感情があることに気づいて。芸人が音楽に嫉妬するのって「残る」からやと思うんですよ。名曲は何十年たっても色あせない。でもお笑いのネタは違って、作品として長くは残らない。
私がスタンダードをつくるなら、「お笑い界だけのお笑い」になりすぎないようにしないとって思ってます。お芝居とかほかのジャンルを勉強しているのも、そういう気持ちから。喜劇やコメディをつくっている劇作家の人たちと、もっと出会ってみたい。
今はオタク化が進んで、「特定のジャンルしか摂取していないことが良い」みたいな風潮もあるけど、それはもったいない。もっと多ジャンルに広げていく挑戦を、下の世代と一緒にできたらな、と思いますね。
かのう・あいこ◎1989年、大阪府生まれ。2010年に幼なじみのむらきゃみとお笑いコンビ「Aマッソ」を結成。著書にエッセイ集『行儀は悪いが天気は良い』(新潮社)、小説集『かわいないで』(文藝春秋)、脚本に「ラフな生活のススメ」(NHK総合)、「スナック女子にハイボールを」(中京テレビ)など。
シャツ\39600円/レぺスカージェンhttps://repescagem.com/、パンツ\7900円/kaya http://www.instagram.com/kaya1209、その他スタイリスト私物



