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2025.09.01 08:15

災害デマを4人に1人が体験 「防災訓練に参加しないがSNSはチェックする」現代人の防災事情

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災害への危機感は高まっているが、実際の防災行動は低調なのが現実のようだ。日本赤十字社が全国7地域の1200名を対象に実施した防災意識調査によると、8割以上が都市部での災害リスクを実感する一方で、地域の防災訓練に参加したことがない人が7割超に達することが判明した。さらに、災害時の情報リテラシーをめぐる課題も明らかになっている。

防災の日を知らない人が半数超

9月1日の「防災の日」の認知度は47.4%にとどまり、防災週間(27.1%)、防災月間(27.8%)の認知度はさらに低い水準となった。関東大震災から100年以上が経過し、国を挙げて防災意識の向上を図っているにもかかわらず、啓発期間そのものが広く浸透していない現状が浮き彫りになった。

ただし、これらの啓発期間を知っている人のうち47.6%が実際に防災対策に取り組んでおり、知っている人に対しては一定の行動喚起効果が確認された。具体的には「居住地のハザードマップを確認した」(48.1%)、「既にある防災備蓄を見直した」(42.4%)、「居住地の公的な避難場所を確認した」(36.0%)となった。

一方で地域の防災訓練への参加状況は、より深刻な課題を示している。「一度も参加したことがない」と回答した人が74.3%に達し、「何度も参加したことがある」はわずか9.4%、「一度だけ参加したことがある」も16.3%にとどまった。

災害情報はテレビが主流、SNSは2割強

災害時の避難判断に用いる情報源についてはテレビが58.6%で最多となった。次いでインターネット(44.5%)、スマホアプリ(34.7%)が続き、SNSは22.7%だった。幅広い年代を対象とした調査では、依然としてテレビが主要な情報源として機能しているが、若い世代を中心にデジタル媒体への依存度も高まっている。

特にSNSについては、情報収集の手段としての利用は2割強にとどまるものの虚偽情報の拡散経路としても機能しており、その影響力は数字以上に大きい可能性がある。災害時の情報伝達において従来のマスメディアとデジタル媒体が併存する中で、情報の真偽を見極める重要性が増している。

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文=池田美樹

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