売上や利益に基づくインデックス手法
アーノットが好む投資手法は、市場で最も高値の銘柄を完全に排除するものではないが、時価総額を無視して、より合理的な比率を割り当てるものだ。彼が率いるResearch Affiliatesは、独自に開発した戦略で1590億ドル(約23.2兆円)の資産を運用しており、その中でも最も知られているのが「RAFIファンダメンタル・インデックス」だ。同インデックスは、従来の時価総額加重型に代わる選択肢とされる。 具体的には、企業の調整済み売上高、キャッシュフロー、簿価、配当、自社株買いといった要素を基準に比重を算出している。
このインデックスはS&P500とは大きく異なり、はるかに分散されている。同社の米国ファンダメンタル・インデックスで6月30日時点で最も比率が高かったのはアップルで4.1%だった。一方、S&P500ではアップルが第3位の構成銘柄として5.7%を占めていた。また、テクノロジー・セクター全体が占める割合もわずか17%にとどまっている。加えてエヌビディアの比率は1%未満にとどまり、潤沢なキャッシュフローを生み出すエネルギー大手のエクソンモービルとシェブロンが、ともに上位10銘柄に含まれていた。
ファンダメンタル加重が示す成果
この戦略は、1998年から2003年にかけて、S&P500と保守的なバリュー投資家に好まれるラッセル1000バリュー指数の両方を上回る成績を残していた。この期間には、インターネットバブルの膨張と崩壊の両方が含まれていたが、アーノットは、この戦略が再び有効になると見ている。エヌビディアがシスコのように激しく暴落する可能性は低いとしても、同社の株価が、市場の高すぎる期待に応え続けるのは難しいだろう。
「私は、90%の価値を失う危険があるとは思っていない」とアーノットは語る。「しかし、今後10年間のトータルリターンがゼロに近い水準にとどまる危険はあると思う」。
AIの採用が加速するにつれて、エヌビディアやその同業他社は、今後も売上や利益を目覚ましいペースで伸ばし続ける可能性が高い。しかし投資家は、そうした高い成長期待の多くが、すでに現在の株価に織り込み済みではないかと懸念している。


